売り方のイノベーションとは何か 米国での乾電池の事例
百聞は一見にしかず。まずは、とてもわかりやすい事例ということで、乾電池のGMROI※を66%も上昇させた「売り方」を紹介します。
最初に、どう売り方を変えたのか、写真を見ていただきましょう。
さて、なぜこの店頭での売り方が「イノベーション」なのでしょうか?
その説明をする前に、乾電池という製品について考えてみます。
みなさんは、乾電池を買う際にどんな点を気にしていますか?
多くの方は、単3だとか単4といったサイズ以外は、あまり気にしていないかもしれませんし、買い置きであればなるべく価格の安いものを、電池切れで必要に迫られた場合は、すぐ手に入ることを優先で購入していると思います。
その際、乾電池のブランドをどの程度気にしていますか?もしかしたら、全く気にしていない方も多いのではないでしょうか?
そして、近年、乾電池に技術革新がもたらされたという話を聞いたことがありますか?
実際には、技術革新により長持ちになったり、安全性が向上したりしているのかもしれませんが、乾電池の「製品自体のイノベーション」は、購入動機を刺激し、購買を触発する類のものなのでしょうか?
そもそも乾電池という商材は、粗利率や在庫回転率が平均以上でGMROIが300%~400%という、販売店にとっては置いておけば「売れる」優良商材です。しかしながら、際立った製品自体のイノベーションもなく、ブランド価値も意識されなくなっていくと、コモディティ化が進行し、粗利率の低下は避けられません。
※GMROI(Gross Margin Return On Inventory Investments):
商品投下資本粗利益率と訳される、在庫回転率に着目した経営指標で、粗利益と呼ばれる売上総利益と平均在庫高の比をパーセンテージで表したもの。GMROI=売上総利益÷売上高×売上高÷平均在庫高(原価)×100で算出します。
「新しい売上を作る「売り方のイノベーション」~買物客の購買行動を、売り場で操作する~」バックナンバー
- 最終回 売り方のイノベーションとオムニチャネル(2015/4/16)
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- 米国成功事例② P&GがTargetをビューティケアカテゴリーの「絶対行きたいお店」に変革した売り方のイノベーション(2015/3/13)
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