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“ダブルゼロ”発泡酒ヒットの舞台裏 2014年緒戦の結果は

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「淡麗プラチナダブル」は女性の想起率高く

キリンビールは発泡酒売上16年連続ナンバーワンブランドである「淡麗」の活用を中心に置いた。キリンビール マーケティング部商品担当の久保育子氏は「“ダブルゼロ”というと、味覚へのネガティブなイメージを想起されがちですが、淡麗ブランドがそのトライアル障壁を低くしたのではと思っている」との自信を見せる。背景には消費者の試し買い理由で「淡麗ブランドだから」が最多となった調査結果もある。

そこでキリンが重視したのはサンプリングだった。店頭やウェブを活用して配布したのは10万本規模。先行モニターキャンペーンには30万件の応募が集まり、「うまさ検証キャンペーン」にはソーシャルメディアを介して2万件を超える感想・期待の声が集まった。このキャンペーンは、飲む前の期待や飲んだ感想を寄せると、「淡麗プラチナダブル」をプレゼントする企画だ。また、取り扱い店を広げる過程では、すぐ購入したり、大きい単位で買いやすいようにと、ECサイトへの誘引も積極的に行った。

○企画制作/ホンシツ+カナリア+アサツー ディ・ケイ+ロボット

テレビCMは発売当日14年9月2日からのオンエアで、出稿量は約3000GRP。CMキャラクターは、マルチタレントのパンツェッタ・ジローラモさんを起用した。CM想起率の特徴は、各世代均等な「極ZERO」に比べ、30~40代が多い点。また、4ブランド中女性の比率が最も高く、こちらでは50代が目立った。

それを反映するように同9月の販売実績も、「淡麗プラチナダブル」は「極ZERO」に比べて30~40歳代の購入が多い。半面「極ZERO」は60歳代の支持が厚いようだ。

9月発売から3カ月、「淡麗プラチナダブル」の飲用は広がっているが、「より多くの方に認知・トライアルしていただけるよう、さまざまなメディアを活用して商品価値をアピールしたい」と久保氏は言う。「数年後には機能系市場を代表するメガブランドとなるようブランド育成に努める」(同)。

サッポロビールの小林氏も「“2つのゼロ”市場を切り拓いた極ZEROが、今後も機能系ビールテイストの総需要拡大に貢献する」と力を込める。健康志向の高まりを背景に、機能系ビールテイストの需要はますます高まり、2015年も熾烈な競争が繰り広げられそうだ。


「森 勇一さん(サッポロビール デジタルマーケティング室)」のコラムはこちら
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[クレジット]

販売実績・取材協力
カスタマーコミュニケーションズ。同社が保有する全国食品スーパーの顧客ID付POSデータを使用。年間稼働200万人のデータから分析した。来店客のポイントカードなどによって顧客識別を行い、一人ひとりの購買履歴を収集することで、より深い購買分析が可能となる。
CM想起率・取材協力
コミュニケーションデータシステム。同社が毎週、関東地区の1200人を対象に、純粋想起型で「印象に残ったテレビCM」を調査している「CM POWER NAVI」のデータから分析した。