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コラム

新しい売上を作る「売り方のイノベーション」~買物客の購買行動を、売り場で操作する~

デート成功の秘訣は、ショッパーのディマンドとインサイトが出発点。

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デートに誘う前の心がけ。確固たる「期待する反応」をもつこと

さて、デートに誘う準備として、ディマンドとインサイトが明確になっても、まだデートには誘えません。なぜなら、デートに誘う「心構え」が十分でないからです。

では「心構え」とは何でしょうか?それは、デートの相手に「期待する反応」をしっかりと持つことです。デートの結果の「相手の態度変容」と言っても良いでしょうか、デートの後、相手にどうなってもらいたいのか?これだけ準備したデートですから、相手に期待する反応を明確に持つことが、デートを成功に導きます。

この心構えがないと、不測の事態に動揺したり、不確定要素に振り回されますし、またこの心構えが現実と離れているものだったり、実現性が希薄なものであれば、デートの意味合いも薄れてしまいます。

ショッパー・ベース・デザインにおいても同様で、ショッパーが「新しい売り場」に立ち寄った時に「どうなって欲しいのか」を明確な目標として、戦略的に持たせている売り場である必要があるのです。そしてその目標は、「一つの製品にお金をいっぱい使ってもらいたい」とか「このブランドを好きになってもらいたい」といったことではなく、「相手の欲求を満たし、心を揺さぶる購買衝動を感じてもらう」ことです。

第一回で紹介した乾電池の事例では、自分の子供や大事なハイテク製品に対して本来ショッパーが持っているディマンドとインサイトを、乾電池売り場に立った時に「子供が使うなら安全が一番」と感じてもらいたいし、「ハイテク製品にはパワーが重要だ」と思ってもらいたいのです。そしてこの購買衝動はエモーショナルであればあるほど、価格が購買決定要因ではなくなるので、製品の新技術や価格プロモーションに頼らず、純増利益を生み出せるのです。

デート相手の「心を揺さぶり、相手のディマンドをどのように満たすか」というこの心構えがいかに重要か分かっていただけたでしょうか。

次ページ 「ショッパー・ベース・デザイン開発ステップ」へ続く