ショッパー・ベース・デザインは売り場のPDCAサイクル
メーカーのチャネルマーケティングなどの部署の方から、いろいろと小売業に対して提案しているけれどなかなか成果が出ないとお悩みの声を聞くことがあります。競合他社を抑え、保守的な小売業に対して新しい提案を実行してくれるよう、関係各所を説得していくというのは非常に体力と気力の必要とされる仕事です。そのような要望に対して、我々は米国での経験をベースに、開発の6ステップに加えて、以下のようなことに注意するようお願いしています。
- 既存の調査結果を疑い、意識的に中立的な視点で検討してみる。
- 小売業のオペレーションモデルとブランド資産に関して十分に理解をする。
- カテゴリーの設定やショッパーが売場に立ち寄る要因を明確に定義する。
- そもそもターゲットショッパーについて明確にしておく。
- ケーススタディや知見の中から、機能する・しない要素を発見し、それをメーカー・小売店の両者に対して明確にするプロセスを設ける。
- 店舗やWEBにて購買が発生している所(ショッパーのいる所)だけに焦点を当て、利益を生み出す十分な確証がある分野でのみ行う。
- 小規模でのテスト展開を行い、有効な要素だけを抽出・拡大展開することで損失を最小限に抑える。
- 実行した施策に対して、考察、検証、改善をすることを恐れない。
ショッパー・ベース・デザインは、実店舗だけでなく、ECサイトなどの購買が発生するあらゆるチャネルに応用できる手法です。メーカーのチャネルマーケティング戦略の仮説を、小売業の同意の元に実店舗で検証し、より有効な要素だけを残して改善していくというPDCAサイクルなのです。
次回は、この「ショッパー・ベース・デザイン」を使って純増利益を生み出した、米国での成功事例をご紹介します。
「新しい売上を作る「売り方のイノベーション」~買物客の購買行動を、売り場で操作する~」バックナンバー
- 最終回 売り方のイノベーションとオムニチャネル(2015/4/16)
- 日本で「売り方のイノベーション」を実施するための組織と商談の工夫とは?(2015/4/09)
- メーカーと小売業がWin-Winの関係で売り方のイノベーションに取り組むには?(2015/3/26)
- 米国成功事例② P&GがTargetをビューティケアカテゴリーの「絶対行きたいお店」に変革した売り方のイノベーション(2015/3/13)
- 米国成功事例① スーパーで売れた「スターバックスコーヒー」とは?カテゴリーも活性化させた売り方のイノベーション(2015/2/26)
- メーカーと小売がWIN—WINとなる「ショッパー・ベース・デザイン」はこうして生まれた(2015/1/29)
- 買い物客の購買行動を操作するとは?米国 乾電池売り場の劇的改善(2015/1/15)
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