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北海道の自然が生んだ商品を、長く愛されるブランドへと育てる―②米夢館

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地域での仕事を通じて、僕が意識しているのは次の3つです。

(1)優先順位をつける:生産者、製造者の皆さんは、こだわりをたくさん持っている。でも手作りのチラシなどを見ると、それを全部言おうとするために混沌としている。「生活者にとって何が響くか取捨選択しましょう」という話を、まず共有します。

(2)「らしさ」をコトバに:地域産品の業界を見渡すと、「こだわり」「安心安全」「地産地消」というワードが本当に多く見られます。僕はこれらをあえて“ 禁句” にして、それよりも、ブランドの「らしさ」の理由̶製法、食材、思いなどを、端的に言語化するよう意識しています。また同様に、「かわいい」「かっこいい」「おいしい」「美しい」といった、人によって捉え方の変わる形容詞にも要注意です。

(3)論よりデザイン:なるべく、初回の打ち合わせからビジュアルを見せます。ビフォーアフターの完成図を、目に見える形で共有することを大切にしているんです。北海道は広くて、遠方だとなかなか直接会って話ができないこともあります。だからこそ、会える時には最大限、実りあるミーティングにすることが大切だと思います。

地域でクリエイティブが貢献できることは、究極的なことを言えば「まちづくり」だと思います。若者の流出が問題であれば、売れるもの・売れる場を増やして流入を増やし、経済を回し、仕事を増やす。そして若い世代に、地元への誇りや憧れを抱いてもらう。地域に今あるものを活用し、磨き直す。その「磨き」こそが、地域におけるクリエイティブの役割だと考えています。

池端宏介(クリエイター)
インプロバイド コピーライター、クリエイティブディレクター。1978年北見市生まれ。上智大学外国語学部卒業。日本デザインセンター、エルグなどを経て、現職。コピーライターの職能を活かし、ディレクターとして職域を広げる。ホクレン「よくねたいも」のネーミング、北見市「小麦で、オホーツクる!」、上富良野町「CAMIFLAG」、エゾシカ革活用プロジェクト「ezokka 」、中川町「ナカガワのナカガワ」、長沼町の食のブランディングなど担当。SCC(札幌コピーライターズクラブ)最高賞受賞(4回)。最近は6次産業化に関するデザインや商品企画に携わることが多い。


Client’s Voice

創業88年目、ようやくできたグランドデザインに大きな期待
向 真理子(米夢館 代表取締役 ごはんソムリエ)

当社の基盤は、地域の皆様に信頼され、存在意義を認めていただけること。企業イメージの構築と情報発信においては、地元のお客様こそ大切にすべきと考えます。今回、池端さんにお任せしたデザインは、「独自性」「古くて新しい米屋」「歴史を礎とした未来の発展」をイメージさせるような表現をという私たちの期待に応えるものでした。米夢館のグランドデザインを描き、その実現のために共に歩んでくれるパートナーとして信頼しています。

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