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SNS時代の今、「口コミ」は認知・情報探索媒体として機能している

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CASE STUDY 口コミ活用の実例

1 口コミと映画

©Shutterstock

口コミを効果的に活用している業界の代表例は、映画業界だ。封切り映画の上映館数を決める需要予測は、試写会後の口コミの数によって測定され、その精度は「ほぼ確実に当たる」というレベルになっている。

ハリウッド大作系の作品であれば、試写会に来た人がどれくらい口コミを書いているかという量と、話題が続いた日数で、その映画がヒットするかどうかが分かるという。

また、封切り後の上映期間についても同様に、ブログでの感想の数で判断され、その数が伸びない場合は、上映期間の短縮が検討される。

口コミの数が映画のヒットのバロメーターになることから、映画業界では口コミをしてもらうために様々な取り組みを行っている。例えば、作品や試写会と連動したWebサイトを通じた発信は近年、各社が非常に注力している手段のひとつ。

動画コンテンツを利用し、何種類も予告動画をつくったり、監督や出演者のインタビューをサイト上やYouTubeで公開し、口コミのきっかけとなる「ギミック」として活用している。

また、近年多く見られるシリーズ物の作品の場合には、最新作が公開される前に、前作を動画配信サイトなどで無料公開し、話題を喚起する。無料配信された前作の感想が口コミとして書かれることで、これから公開される新作への期待を誘導するきっかけにしている。

口コミとヒットの関連が明確になっているために、近年の映画業界では、口コミが増えるようなマーケティング施策が重視されているのだ。

2 口コミとテレビ

ツイッター上での話題をもとに、テレビ番組の盛り上がりがリアルタイムに分かるアプリ「wiz tv」も登場している(無料/日本テレビ放送網提供)。

サッカーやオリンピックといったスポーツ中継を見ながらTwitterに投稿する人が増えていることからも言えるように、テレビの視聴率とツイート数には非常に高い相関性がある。

スポーツ中継の応援メッセージや感想などの数は、そのままその中継の視聴率と考えることができる。

スポーツ中継のツイートが伸びるのは、得点や良いプレーがあったタイミングに左右されるため、その瞬間を予測することは難しい。

しかしテレビドラマについてはストーリー展開によって盛り上がりを予測したり、さらに話題化するための改善を行うことが可能だ。

一般的な連続ドラマの場合、初回が放送されている時には数話先の放送分が撮影されていることが多い。そのため、放送されているときの口コミの内容から、これから撮影する分の展開や登場人物の扱い方を変えていくことができる。

ドラマの中のセリフが口コミで話題になれば、そのセリフを意図的に喋らせるようにしたり、人気のある人物の登場回数を増やしたりすることは、口コミにつながるギミックとなり、視聴率対策にもなる。

口コミによって視聴者の動向を見ることができれば、以前のように視聴率が低迷しても、打ち切りという選択ではなく、口コミを参考に内容を改善し、挽回させて放送を継続することが可能だ。このような番組づくりが進めば、テレビのコンテンツづくりも変わっていくだろう。

対人コミュニケーションとして生まれた口コミが、インターネットを介することで誰でも自由に得ることができるようになったことは、テレビ業界にも大きな変化をもたらそうとしている。

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