メール受信設定のご確認をお願いいたします。

AdverTimes.からのメールを受信できていない場合は、
下記から受信設定の確認方法をご覧いただけます。

×
コラム

右手に常識、左手に非常識。――関西「広告」クリエイティブの源泉  

商品をほめすぎたら、あかん。

share

企画は、スポンサーじゃなく、世の中に通さんとあかん。

商品をほめすぎてはいけないということについて、もう少し書きます。

かれこれ25年ほど前のことだったと思います。場所は、ある商品のテレビCMの企画打ち合わせをしていた会議室。みんなで企画を持ち寄り、僕が自分の企画を説明していたときのことでした。

石井「うーん、その案はスポンサーにすぐ通りそうやから、ボツやな」
山本「なんでですか?スポンサーに通ったらいいやないですか!」
石井「この案は商品をじょうずにほめてるから、スポンサーには通りやすい。でもな、この案は、世の中の人たちには通らへん。そういう案がいちばん危険なんや。企画はスポンサーに通すんやなくて、世の中に通さんとあかんのや」

まさにその通りやなあと素直に思いました。目からうろこが10枚くらい落ちました。世の中の人たちに通る企画でなければ商品は動きませんし、自信を持ってプレゼンできません。

もちろん、認めてくださるスポンサーあってこそ企画は世に出られるのであり、そのことを忘れたらあかんと思っていますが、スポンサーの方々がいちばん求めている企画、それは「世の中に通る企画」なのではないかと思うのです。

スポンサーに当てにいくのではなく、世の中に通る企画を思いきってプレゼンする。そのほうが結果はいいのではないでしょうか。

最後に。

情報が行き渡るようになって、世界がどんどん透明になってきて、小手先のことが通用しなくなり、本質的なことが見透かされるようになってきた現代社会では、「商品を安易にほめない、ほめすぎない」ことがますますだいじになってきていると僕は最近、特に思います。

今回書いたことは、たとえば高級車や化粧品のような商品には当てはまらないかもしれませんが、皆さんはどう思われたでしょうか?

というところで、そろそろおしまいにします。
今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
次回は、「笑いや愛嬌は、武器になる」という話を書く予定です。