コラム

右手に常識、左手に非常識。――関西「広告」クリエイティブの源泉  

コミュニケーションの世界では、笑いが武器になる。

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少年少女のような気もちで、つくる。

このキャラクターを誕生させて以来ほぼ20年間、関西テレビ放送を担当させてもらっています。名前はハチエモンと言います。

テレビ局のキャラクターだから、「口が異常に発達したキャラクターにしよう」ということだけを最初に決めて考えました。後ろを向くと、おしりもあります。おしりにはこだわりました。おしりが役に立つときがきっとくる!、と確信を持ってたんです(笑)。さらには、いろんな動物バージョンも仲間に加えて、関西では人気者になりました。

キャラクターには、キャラクター(性格)が必要です。
その設定がちゃんとしてないと、ちゃんと育ってくれませんからだいじなところです。逆にそこがちゃんと定まっていたら、自分たちが頭で考える前に、キャラクター自身が勝手に動いたり、しゃべったりしてくれるようにもなるんです。

ハチエモンは、何をやってもうまくできない子です。声はぼそぼそとしゃべるおっさん声で、賢いことなどひとつも言えないし、やる気も覇気もまったく感じさせません。ほんまに頼りない、愛すべき性格で、20年前からずっと「ゆるキャラ」です。理路整然と正論を述べる人より、頼りない人のほうが愛されやすいですもんね。

ハチエモンは、「笑わせよう」と思って何かをするのではなくて、何かをするたびに「笑われてしまう」、そういう子なんです。

そんなハチエモンだから、見る人は油断してくれるんだと思います。「笑わせる」のではなく、「笑われる」。そういうキャラが、子どもから大人まで幅広い層に受けてきたんじゃないか、と。「笑わせよう」という作者の意図が少しでも見えた時点で、人は身構えてしまい笑ってくれませんから。

この仕事は、「自分たちの中にある、子どもの心の部分」で発想しながら、つくってきたんだと思います。だから、「見てくれる人たちの、子どもの心の部分」に届いたんじゃないかと思うんです。
人に笑ってもらいたいなら、まず自分たちが笑ってつくる。それが基本ですもんね。

若いころのことですが、深夜の3時ごろのMAルームで、ハチエモンのおならの音を「ぷー」にするか、「ぴー」にするか、「ぴょろん」にするか、などと試したりもしてました。普通の大人がすることではないとは思いますが(笑)、そんな風にして、スタッフ全員が子どものように笑いながら、楽しみながら、20年間つくり続けてきたんです。

広告をつくるという仕事は、楽しい仕事です。
いくつになっても、おもしろくてやりがいのある仕事です。

髪がうすくなった今でも、少年のような気もちで、笑いながら考えたいと思っています。だから、僕が企画している瞬間はきっと髪の毛はふさふさ、瞳はきらきら、にこっと笑うと白い歯が爽やかに輝いているはずです(笑)。

と、たいしておもしろくもないことを書いてしまったところで、そろそろおしまいにします。今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

GWは少年少女に戻って、いっぱい笑って、楽しくお過ごしください!

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