消費者を消費者としてではなく、あくまで一人の人として捉える
——ブランディングという視点で、細分化という課題をどのように考えておられますか。
石井:従来の調査は、一人ひとりのお客さまの意識を深堀りし、潜在的なニーズを捉えようとしてきました。もちろん、これも重要です。一方、デジタル分野ではターゲティングをして反応をみたり、Webサイトに来てくれた人のキーワードを調べたり、テレビCMをした時にどんなツイートがされているのかを見ていくことで、リアルタイムでお客様の姿が幅広く包括的に見ることが出来ます。寄りと引き、長期の蓄積されたデータとリアルタイムのデータ、それらを組み合わせ、お客さまのことをどれだけ理解できるかが最も重要です。世の中のあらゆる物事のサイクルが非常に速くなっている中で、ブランドの価値も、お客さまが変化することで一気に変わることもあります。そうした変化を瞬時にキャッチアップしていかなければならないと考えています。
中川:当社の考えるマーケティングのフレームワークの中では、消費者を消費者としてではなく、あくまで一人の人として捉えようということが重要視されています。365日24時間過ごしている時間の中で、ヘアケアの仕事をしている私は1日8時間くらいシャンプーのことを考えていますが、消費者がシャンプーのことを考えるのは月に2回とか、買い換えるタイミングくらいです。リアルな人間として捉えずに、都合のいい消費者として捉えていると、自己満足的なコミュニケーションに陥ってしまいます。特にコーポレートブランディングでは、会社が扱う商品全体をカバーできるような包括的なメッセージを考えることになりますが、消費者としてではなく、より一層リアルな人間として捉え、お客さまを理解してブランディングしていく必要があると思います。
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