高速バスの運営ノウハウをローカル鉄道へ、ウィラーが挑む地域創生

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高速バス「WILLER EXPRESS(ウィラーエクスプレス)」の運行や移動ポータルサイトの運営を行うウィラーグループのホールディングカンパニーであるウィラーアライアンスは、京都府などが出資する第三セクター・北近畿タンゴ鉄道(KTR)の運行会社に昨年選定され、今年4月1日から「京都丹後鉄道(丹鉄/たんてつ)」として運行を開始した。インターネットによる予約システムを導入するなどして高速バスを身近な移動手段として定着させ、顧客のニーズに合わせたシートやさまざまなバス旅企画を実施することで裾野を広げてきた同社が、ローカル鉄道路線をどのように運営していくのか。ウィラーアライアンス 代表取締役 村瀨茂高氏に聞いた。
ウィラーアライアンス 代表取締役 村瀨茂高氏
1963年名古屋市生まれ。1994年5月WILLER TRAVEL(旧 西日本ツアーズ)を大阪市に設立。2005年6月WILLER ALLIANCE(旧 西日本ホールディングス)を設立。06年1月WILLER EXPRESS(旧WILLER BUS)、4月に高速ツアーバス「WILLER EXPRESS」事業を開始。14年7月WILLER TRAINSを設立。15年4月 第二種鉄道事業者として「京都丹後鉄道」の運行を開始。高速ツアーバス連絡協議会会長も務める。

もともとエリア交通インフラを手掛ける予定だった

——今回、北近畿タンゴ鉄道の運行会社の認定取得申請を行うに至った背景と狙いは何でしょうか?

これから日本が人口減少する中で、その影響を大きく受けるものの一つが、地域の交通インフラです。我々はこれまで、都市間の交通を高速バスという形でサービス提供してきました。現状は人口が減ればダイヤが減っていくという状況ですから、これを何とか変えて、10年後、20年後も安心して住み続けられる街となるような地域交通の新しい仕組みを作り上げ、実践してみたいという考えをずっと持っていました。

その時にたまたま、北近畿タンゴ鉄道が運行会社を公募しているという情報を目にしました。沿線が114キロもあるこのエリアの移動は、車やバスだけだと移動がかかってしまう。やはり速達性が高くて、大量輸送が可能で、定時で動ける鉄道が中心にあり、それぞれの駅にバスや、小型モビリティがつながっていく、というのが今後の利便性を左右します。まさに我々が今後やるべきと考えていたことと合致していたので、手を挙げました。

4月1日に行われた、観光列車「丹後あおまつ3号」の出発式。そのほかにも開業セレモニーなどが行われた。

——もともと、人口減少が進む中で、地域の交通インフラづくりについては関心があったということですね。

そうです。グループのミッションとして「世界中の人の移動にイノベーションを起こす」を掲げており、すべての人の移動をいかに活性化するかを常に考えています。高速ツアーバス事業を始めて最初の10年間は大都市と地方を結ぶ、血管でいえば動脈にあたるような大きな交通ネットワークを作ることに取り組んできました。

そして、次の10年は、動脈につながる毛細血管のようなネットワークを作り、両者がつながることによって、全身に血がめぐるように、あらゆる人が全国に気軽に移動できるようにしたいと、もともと考えていました。

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