なお、このランキングデータを提供している「Belugaポータル」では、3000超のFacebookページを登録しており、月別または日別でページ全体のいいね!数やその推移、個別の投稿内容への反響などをスコア化することができます。投稿ランキングの指標となるのは①エンゲージメント率(ENG、②~④の合計をファン数で割った数値) ②いいね!数 ③コメント数 ④シェア数の4点。以上からポイントを算出して、ランキングが決定します。
Pick UP!
開設は2011年4月。販売促進部のFacebook担当者がひとりで運営に当たる。1カ月の大まかなスケジュールを決定後、メニュー変更やイベントなどに合わせ、随時原稿を作成。内容は必ず部門内で事実確認と表現の工夫について、意見交換をしながら決めている。素材にクローズアップする「なるほどデニーズ」などのシリーズものも好評。
「タイトル」でひきつけ、「物語」で落とす。
今回は、2015年上半期のエンゲージメント率ランキング上位企業の投稿を見ていきたいと思います。1位にファミリーレストランのデニーズ(セブン&アイ・フードシステムズ)、5位に名古屋発の「コメダ珈琲店」と外食チェーンが2社入っています。
デニーズの投稿の特徴は、興味をひくうまい「タイトル」がつけられているのと、写真も含め全体として「物語」を感じる内容になっていることです。最近では「いいね!」「コメント」「シェア」ともに数を伸ばしたのが6月9日の投稿。タイトルは【デニーズの夏に雪が降る?!】でした。新商品「純氷 かき氷」の告知ですが「夏に雪」という相反する言葉を組み合わせたタイトルと、商品のバックに雪が降っているようなデザインの写真が秀逸です。
さらに投稿の内容も、商品の特徴である【ふわふわ食感】と【繊細なくちどけ】を「まるで『新雪』」と表現することで、タイトルにリンクしたものになっています。すべてがうまく組み合わさっているから、読む側はその投稿に「物語」を感じるのです。
できるだけ生活者とコミュニケーションを取ろうとしている姿勢もエンゲージメント率を高めています。【この店ど~こだ?!】というタイトルでクイズ形式にしたり、【なるほどデニーズ】というタイトルで、素材をクローズアップしたりしていて、飽きさせません。
コメダ珈琲店の投稿も「タイトル」と「物語」に力を入れています。例えば6月20日の投稿は「\ひと、ひと手間、コメダ。/」というタイトルで、コーヒー豆にまつわる「ストーリー」を紹介しています。人の両手いっぱいにコーヒー豆がある写真もタイトルにマッチしていて「物語」を感じますね。この投稿のラストは以下のような文章で締められています。
「『珈琲所コメダ珈琲店』という店名の中には“珈琲”が入っています。そこには、コメダのこだわりとプライドが詰まっています」─こんな風に書かれると、それを確かめに一度、コメダにコーヒーを飲みにいきたくなりますね。
エンゲージメント率を高めたければ、「タイトルでひきつけ、物語で落とす」という工夫をしてみましょう。
データ提供:Belugaポータル
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前回の記事「2014年「土用の丑の日」の投稿ランキングに学ぶ、Facebookコンテンツのつくり方」はこちら
「Facebook」に関連する記事はこちら
川上徹也(かわかみ・てつや)
湘南ストーリーブランディング研究所 代表
大手広告会社を経てコピーライターとして独立。「物語」の持つ力をマーケティングに取り入れた「ストーリーブランディング」の第一人者としても知られる。近著に『物を売るバカ』(角川oneテーマ21新書)がある。
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