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2015年上半期の人気ページに学ぶ、Facebookコンテンツのつくり方

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「広報会議」2015年9月号Facebookコンテンツ入門より転載

このコーナーでは企業や団体が運営するFacebookページの投稿内容などのランキングと、川上徹也さんによる解説をもとに、『広報会議』読者の皆さまへSNS運営のヒントを提供していきます。今回はFacebookページ別に、2015年の上半期平均エンゲージメント率ランキングを算出。ファン数1万人以上の企業ページを対象に、平均値の高いページの傾向を探ります。

なお、このランキングデータを提供している「Belugaポータル」では、3000超のFacebookページを登録しており、月別または日別でページ全体のいいね!数やその推移、個別の投稿内容への反響などをスコア化することができます。投稿ランキングの指標となるのは①エンゲージメント率(ENG、②~④の合計をファン数で割った数値) ②いいね!数 ③コメント数 ④シェア数の4点。以上からポイントを算出して、ランキングが決定します。

(ユニークビジョン 代表取締役 白圡良之)

Pick UP!

「興味をひくタイトルをつけたり、気軽に読んでいただける表現やテンポ、美味しさと店内での臨場感が伝わる写真選びなどを心がけています」

開設は2011年4月。販売促進部のFacebook担当者がひとりで運営に当たる。1カ月の大まかなスケジュールを決定後、メニュー変更やイベントなどに合わせ、随時原稿を作成。内容は必ず部門内で事実確認と表現の工夫について、意見交換をしながら決めている。素材にクローズアップする「なるほどデニーズ」などのシリーズものも好評。

「タイトル」でひきつけ、「物語」で落とす。

今回は、2015年上半期のエンゲージメント率ランキング上位企業の投稿を見ていきたいと思います。1位にファミリーレストランのデニーズ(セブン&アイ・フードシステムズ)、5位に名古屋発の「コメダ珈琲店」と外食チェーンが2社入っています。

デニーズの投稿の特徴は、興味をひくうまい「タイトル」がつけられているのと、写真も含め全体として「物語」を感じる内容になっていることです。最近では「いいね!」「コメント」「シェア」ともに数を伸ばしたのが6月9日の投稿。タイトルは【デニーズの夏に雪が降る?!】でした。新商品「純氷 かき氷」の告知ですが「夏に雪」という相反する言葉を組み合わせたタイトルと、商品のバックに雪が降っているようなデザインの写真が秀逸です。

さらに投稿の内容も、商品の特徴である【ふわふわ食感】と【繊細なくちどけ】を「まるで『新雪』」と表現することで、タイトルにリンクしたものになっています。すべてがうまく組み合わさっているから、読む側はその投稿に「物語」を感じるのです。

できるだけ生活者とコミュニケーションを取ろうとしている姿勢もエンゲージメント率を高めています。【この店ど~こだ?!】というタイトルでクイズ形式にしたり、【なるほどデニーズ】というタイトルで、素材をクローズアップしたりしていて、飽きさせません。

コメダ珈琲店の投稿も「タイトル」と「物語」に力を入れています。例えば6月20日の投稿は「\ひと、ひと手間、コメダ。/」というタイトルで、コーヒー豆にまつわる「ストーリー」を紹介しています。人の両手いっぱいにコーヒー豆がある写真もタイトルにマッチしていて「物語」を感じますね。この投稿のラストは以下のような文章で締められています。

「『珈琲所コメダ珈琲店』という店名の中には“珈琲”が入っています。そこには、コメダのこだわりとプライドが詰まっています」─こんな風に書かれると、それを確かめに一度、コメダにコーヒーを飲みにいきたくなりますね。

エンゲージメント率を高めたければ、「タイトルでひきつけ、物語で落とす」という工夫をしてみましょう。

データ提供:Belugaポータル


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前回の記事「2014年「土用の丑の日」の投稿ランキングに学ぶ、Facebookコンテンツのつくり方」はこちら
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川上徹也(かわかみ・てつや)
湘南ストーリーブランディング研究所 代表

大手広告会社を経てコピーライターとして独立。「物語」の持つ力をマーケティングに取り入れた「ストーリーブランディング」の第一人者としても知られる。近著に『物を売るバカ』(角川oneテーマ21新書)がある。