コラム

澤本・権八のすぐに終わりますから。アドタイ出張所

企画が採用されなかったら、実現する座組みを自分で考えればいい(ゲスト:角田陽一郎さん)【後編】

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企画書にあいまいなパターンを1つ残しておく

中村:角田さんに持ち込みたい企画があって。先日バスキュールの朴(正義)さんと飲んでいて、「チューボーですよ!」が放送される(夜11時半~)日の午後に、そのレシピの食材がまんま家に届くというサービスをつくれないかと盛り上がったんです。普段だと冷蔵庫の中にない豆板醤4グラムとかがピッチリ計られた状態で届いて、「さぁはじめましょう」と一緒に料理をつくれるという。

角田:それいいですね。

中村:マチャアキ(堺正章さん)がつくり終えて、プレミアムモルツで乾杯するときのためにプレモルもサントリーさんから届いて、一緒に乾杯!と言ってごはんを食べる。それで、その写真が“飯テロ”みたいにツイッターにたくさん投稿されるみたいなサービスができないかなと。

角田:そのサービスいいじゃないですか。僕も似たようなことを考えていて、例えば放送で講義の番組をやったときに、徳川家康について番組上で説明するとします。学校の授業ならその時、生徒も教科書の徳川家康のところを読んでいますよね。

ということは、教科書は講義を受けているときは別にあったほうがいい。今風に言うとそれはセカンドスクリーンで、スマホ片手に文章を読みながらテレビを見るということもできたほうが面白いと思うんですよ。

内容はテレビで説明しないで、スマホで見ればいい。だから「チューボーですよ!」の話と似ていて、視聴者の空間にリアルなものをインタラクティブに繋げてしまうと。ラジオでもできるかもしれないですね。テレビでなぜそれをやらないかというと、作り手が視聴率を取るので精いっぱいだからです。

そういうのがあったほうが面白いね、うん面白いねといつも僕らも考えています。でも、限られたスタッフ、限られた時間で番組をつくっていると、それが後回しになっちゃうんですよね。そのへんをちゃんとやる特別なプロデューサーみたいなものを、番組をつくるときに立てたほうがいいというのが、僕の発想でした。

澤本:なるほど。

角田:ところが、「その予算はどうするの?」という話になると途端に難しくなる。なのでそのときに、さっきのゼロ次利用的な考え方でいくと、「何をビジネスモデルとして先にやるか?」がありきなので、スポンサーもいて、流通のシステムもゼロ次としてつくったうえで、1次利用として放送しましょうとできるのではないかと思います。

中村:ゼロ次利用の話は、プロトタイプに近いですね。

角田:そうです。ゼロ次であれば、仮に放送があってもなくても、宅配で「チューボーですよ!」の材料を受け取った人がお金を払うから、そこでもうビジネスが成立していますよね。それを1次としてテレビで放送することによって、みんなに拡散するというビジネスモデルを考えてつくれば形になるんじゃないかなと。

澤本:それは一部の変わった人がただ騒いでいるという話ではなくて、テレビの使い方ってそう考えると、まだまだ未来があるよという話ですよね。

角田:そうです。だから、ゼロ次のほうで実際に「チューボーですよ!」を見て、つくりながら、飲みながら楽しんでいる人もいるし、そこは利用しなくても、テレビで1次的に楽しんでいる人もいるという“面白さの階層”ができればいいだけだと思うんです。

中村:そうですよね。

角田:ゼロ次的に楽しんでいる人は、楽しんだんだからその分有料でいいと考えていくと、スポンサーをつけて無料放送するという以外にも、物事は作れるんじゃないかと思う。

中村:角田さんは理論づくですね(笑)。

角田:僕の一番の理論は(笑)、例えば、全ての面白さをジャンル分けできると仮定します。Aパターン、Bパターン、Cパターンと・・・そのパターンは何個でもいいんですけど、最後の1個によくわからないけど面白いというパターンを入れておくことだと思います。

澤本:ああ、あいまいなものをね。

角田:このよくわからないものをみんなは普通は外すんですよね。でもそれを残しておくと、一番アクシデントが起こるし、笑いの神が降ってくるきっかけになるんです。訳はわからないけど残しておけるだけの余裕があるかどうか。僕はそこばっかり残してますね。

一同:

角田:そこしかない(笑)。だから理論的かと言われると、全然違うんです。理論で排除した何かをどこまで残しておくか。それが面白さの源泉なんじゃないかと思います。

中村:さて、あっという間にお時間が来てしまいました。

澤本:本当にあっという間だったね。権八、今日静かだったよね。

権八:ほんとすみません!寝起きなうえに酷い二日酔いで(笑)。けど、面白かったですね。

澤本:ミラノで会ってこういう話をして、むちゃくちゃ面白かったんですよ。

権八:角田さんは異端だとご自分でもおっしゃってましたけど、引っ掻き回してくれそうな感じもあるし、こういう人がどんどん出てくるとテレビももっと面白くなりそうな気がしますね。

澤本:今は異端かもしれないけど、将来から見ると正統なことをしている可能性が高いしね。

権八:そうそう、そういう感じがしました。

中村:角田さん、今日はありがとうございました。番組への質問や感想などはsuguowa@tfm.co.jpまでドシドシ送ってください!

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構成・文 廣田喜昭

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