PRパーソンは社長を目指せ!? 佐々木紀彦氏と考える「PRに必要な3つのスキル」

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日本パブリックリレーションズ協会(以下、PRSJ)では、9月から、今年のPRSJアワードグランプリ(以下、PRアワード)のエントリー募集を開始した。アドタイでは関係者らのインタビューを通じて、PRアワードの全貌を解明する。
シリーズのラストを飾るのは、経済情報に特化したニュース共有サービス「NewsPicks」の編集長・佐々木紀彦氏。今年初めて、PRアワードの審査員を務める佐々木編集長に、月刊『広報会議』でも連載中のブルーカレント・ジャパンの本田哲也氏が聞いた。

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PR力について熱い議論を交わした、佐々木紀彦編集長(左)と本田哲也氏。

PRパーソンの編集力を見せてほしい。

本田さん、以下、本田:審査員になった経緯を教えてください。

佐々木編集長、以下、佐々木:以前PRSJで、メディアの立場からPRに何を求めるかといった趣旨の講演をしたことがあって、それをきっかけにお声がけいただきました。審査にも新しい風として、ニューメディアの視点が求められたのかもしれませんね。

本田:PRアワードの審査員は初ということですが、どのような点に期待していますか?

佐々木:私はコンテンツ屋なので、コンテンツとして面白いかという「直感」を見たいですね。あとは、どう媒体を融合させるかということを常に模索しているので、そのアイデアにも期待しています。媒体の融合というのは、紙とネットという単純な組み合わせもあれば、ソーシャルとオリジナルコンテンツの融合もあるし、マーケティングとPRの融合かもしれない。PRのセンスって、人と媒体とアイデアを「組み合わせるセンス」だと思うので、その調理のうまさ、編集のうまさを見たいですね。もう僕ら、PRのみなさんとはある意味ライバルだと思っていますので。

本田:審査員でありながら、ライバルの仕事を見に行くという気持ちでしょうか。ということは、PRアワードにエントリーすると、佐々木編集長とガチの勝負ができるってことですね(笑)。

佐々木:そうですね(笑)。PRパーソンの編集力を見せてほしいですね。

PRは、「見つける・創る・伝える」!

本田:くしくも編集力と言っていただきましたが、私も長年PRをやってきた立場で言うと、PRパーソンのスキルって、編集者と似ているところがある気がしています。広告とPRよりも、メディアや編集業界とPRのほうが、必要なスキルという意味では近いかもしれないですよね。

編集者もPRパーソンも「伝える力」と「創る力」が5対5になり、
融合していくと話す佐々木編集長。

佐々木:編集者のスキルを分解すると、「伝える力」と「創る力」があると思うんです。今まで我々のようなコンテンツメーカーの人たちは、たぶん労力の9割を「創る力」に割いてきました。そして、創った後は流通に任せるからもういいよって感じで「伝える力」をあまり気にしてなかったと思うんです。極端に言うと「創る力」9割で、「伝える力」は1割の比重だったと思います。でも、今これがどんどん変わってきていて、どんなに「創る力」がよくても「伝える力」がないとダメになってきている。

逆にPRの人は、「伝える力」のプロですよね。で、これまでは伝えるほうが9割くらいで、創ることは1割くらい。あまり創ることを意識してこなかったんじゃないかなと思います。でも今は、オウンドメディアの重要性が上がったりして、いろいろ自分たちでコンテンツを創らなくちゃいけなくなってきて、「創る力」の比重が上がってきています。

そうすると、最終的には、編集者もPRパーソンも「伝える力」と「創る力」が5対5くらいになって融合していくんじゃないかなと。「創る力」から「伝える力」にシフトしてきているのがメディア人で、その逆がPR人。でも、アプローチの方向が違うだけで、最終到達地点は同じなんじゃないかと思いますね。

本田:お話を聞いていたらすごく刺激されてきました。その二つの力に加えて、「見つける力」というのもある気がしますね。メディアでいう「取材力」みたいなものです。取材力って、いまやPRに関わる人は絶対に必要だと思います。「伝える力」「創る力」「見つける力」は、三位一体なんじゃないでしょうか。

佐々木編集長と本田氏のセッションで生まれた、
PRスキルの「3つの力」

佐々木:今は、それぞれのプロという時代ではないのでしょうね。横串で3つ全部が揃ってないと、もうプロになれない時代なんですよね。

本田:メディアの人は、「見つける力」はもともと強いと思うので、今までどおりの比重だと思うのですが、PRの人は上げていかないとダメですね。最近よく相談されるのが、「創る力」を上げなきゃいけないということなんですが、でもまずは「見つける力」だと思うんです。広報部って意外と社内のこと知らなかったりしますし……。商品やサービスの背後にある面白いストーリーを発見するとか、メディア人のように読者を意識して、面白さを見つけようとしないとダメですよね。

佐々木:PRに読者目線はとても重要ですね。

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