コラム

宣伝会議サミット2015 レポート

エンターテインメント業界と対峙するWOWOWの戦略論

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講演者

  • WOWOW マーケティング局 宣伝部長 石垣裕之 氏

「宣伝会議サミット2015」が11月19日、ANAインターコンチネンタルホテル東京にて開催され、マーケティング担当者の課題解決に役立つ最新事例や手法を紹介する講演が行われた。本コラムでは、注目企業のキーパーソンによって行われた講演の一部をレポートする。

WOWOWの中期経営計画

WOWOW マーケティング局 宣伝部長 石垣裕之 氏

当社は1991年に有料サービスをスタートし、約10年で250万世帯の加入者を獲得しました。これが一番の成長期になり、その後パーフェクトTVやスカパーなど競合が参入して厳しい時代に入ります。2011年の地上・BSアナログ放送終了を契機に、280万~300万世帯まで加入者を増やせるのではと見込んでいましたが、なかなか難しい状況が続きました。そんな中、2014年にTBSと共同制作したドラマ「MOZU」のヒットや、錦織圭選手の活躍でテニス人気に火が付き、加入者数も280万件と一気に伸びています。

中期経営計画としては、2020年に向けたロードマップを3段階に分けて定義しています。1つ目は集中的成長で、有料放送サービスにおける優位性の維持・向上。2つ目は統合的成長で、「テレビ&Web」を組み合せたサービスをどのようにしていくか、3つ目は多角的成長として、サービス領域の拡大、利用者拡大のための投資です。2020年には「総合エンターテイメント・メディア企業へ」の成長を目指し、「VISION 2020」を設定しています。エンターテイメントというフィールドで、いかに顧客とエンゲージメント度合を深めていけるかに注力します。

WOWOW流の宣伝クリエイティブ

では現状はどうなのか?テレビ放送領域の優位性の維持・向上については、錦織選手人気に象徴されるように順調に推移しています。「テレビ&Web」を組み合わせたサービスは、WOWOW本契約の月額2300円で、加入者限定の無料番組配信サービス「WOWOWメンバーズオンデマンド」があります。これは、スマホ・PCなどデジタルデバイスで視聴可能で、現在常時数千タイトルを揃えています。このサービスにおいても、日々、利用者・加入者を増やすべく活動していますが、280万件の加入数のうち、これだけデジタルデバイス数が増加する中、ユニークユーザー数は狙っているほどは十分伸びていないと感じています。次に多角的成長領域では、ライブなどのリアル体験型エンターテイメントの提供なども全社的にはまだ不十分で、今後の課題です。

今後の目標としては、2014年は実績で累積正味加入が265万件、2015年は276万件を掲げていました。お陰様で、現時点で280万件となり順調に推移。これは、「ダブルフェイス」「MOZU」の影響が絶大だったのと、テニス人気、パッキャオVSメイウェザーの試合などの追い風があったからだと思います。

新CMの「目の前を、おもしろく。WOWOW」では、西島秀俊さん、長澤まさみさん、ピエール瀧さんが登場し、メガネをかけると3人に何かが起こるという設定になっています。それ以前の「いいもの、ゴロゴロ。」では、当社の優位性である、目利きしたものが数多くあることを訴求のベースに制作しました。映画、ドラマ、スポーツなど多ジャンルを長く観てくれる方が優良顧客になるので、そのクラスタージャーニーを意識したようなことをポイントに数多くのタイプ数を制作しました。まさにWOWOW見ると、様々なエンターテインメントで、あなたの目の前を面白くしていきますよということです。TVCFなどのクリエイティブのPDCAについても、社内外でしっかり見ていこうと思います。

次ページ 「メディア投資の効果を徹底的に検証する」へ続く

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