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コラム

良いコピーをどうやって書くか、ということより先に知っておかないといけない話。

iPS細胞を初めて実用化した髙橋政代がコピーライターに依頼したこと。

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社会を変えるのは現場の「人」

これから医療が進歩するにつれ、どんどん障害者は増えることになります。昔なら亡くなっていた方たちが何らかのハンデを負いながら命を得るというケースが増えるからです。

彼らを健常者の税金で養い切れるのか?それよりも、彼らにしっかり活躍の場を与えてあげることが、皆のためにもなり、彼ら自身のためにもなることは疑いがありません。下肢障害になった僕を最も落ち込ませたのは、神輿の会の手伝いができないとか、力作業ができないとかの「役立たず」感でした。でも、ラッキーなことに僕の仕事は頭脳労働ですから、社会から疎外されることもなく、ばっちり働いて今もけっこうな税金納めてます!人助けの活動は、上目線の情けとかではなく、回り回って自分助け、国助けでもあるのです。

今後、社会課題解決が僕ら広告クリエイターのフィールドになっていくのは明らかです。僕のところにも、医療、地方創生、介護、エネルギー、農業、などなど、社会課題絡みのご相談が寄せられています。でもスカした広告でそれらが解決できるとは、夢にも思いません。医療であれば、髙橋先生を始めとする強い想いを抱いた現場の「人」がいて、足りない部分を僕らがお手伝いしてあげて、ようやく解決への一歩を踏み出せると思うのです。地方創生ならその地域でビジネスをどう回すのか、まずそれをやる「人」がいないことには。介護問題もエネルギー問題も同様でしょう。

広告業界の中にも日本の、あるいは世界の、様々な問題を何とかしたいと願う方は多くいらっしゃると思います。しかし僕らは孔明や仲達にはなれても劉備や曹操にはなれないと考えておくべきでしょう。そうじゃないと、ただでさえ圧迫している財源を広告費に無為に費消させることにもなりかねません。そういった方は、現場の中心で強い想いを抱いている「人」を探すことから始めてはどうでしょうか。そしてその人が「いい人」なら自身も幸福感を得られます!

ところで、今年の秋から「isee! Working Awards」というコンテストが始まります。視覚障害者の“就労”に関する事例やアイデアを個人・法人から広く募集し、顕彰しようというものです。もし読者の中で経営者や人事担当の方がいらっしゃったら、そちらの情報もぜひ「isee!」運動サイトでご覧ください。

次ページ 「髙橋政代先生から小霜さんへのお手紙」へ続く