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デジタルの“予言者”デイビッド・シング氏(AOL)が語る2016年のキーワード

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2016年のキーワードは「エクスペリエンス」

テクノロジーがいかに発達しようとも、マーケティングの本質は人間そのものです。時に人類の仕事を奪うと言われるAI(人工知能)は、1to1のコミュニケーションに代表されるような、従来、人の手では実現出来なかった煩雑な仕事を実現するために活用されるべきです。テクノロジーと人間の関係は「VS」ではなく、「+(プラス)」だと考えています。

マーケターやクリエイターという存在は、テクノロジーの進化によって、もっと生活者とカルチャーに寄り添い、ブランドとの接点を築くことに時間とエネルギーを割けるようになると思います。

昨年は、テクノロジーと広告・メディア・クリエイティブの業界が対立構造で語られることが多くありました。「ディスラプション(破壊・混乱)」というキーワードで、テクノロジーが産業構造を覆す脅威として表現されてきました。

しかし2016年のキーワードは「エクスペリエンス」に変わりました。VRをはじめ、生活者のブランドエクスペリエンスをより豊かにするプラットフォームのテクノロジーが、広く浸透したことが背景にあると思います。他の例であれば、IoTも、商品パッケージをデザインからサービス価値に変え、生活者に優良なエクスペリエンスを提供するための新しい手段として活用されるようになっています。

Everything is content. 全てのものがコンテンツだ

このように、テクノロジーはあらゆる生活者のエクスペリエンスを向上させるための原動力です。そして、エクスペリエンスの中身は、コンテンツです。コンテンツはメディアを通じて伝えられる情報ではなく、今や企業と生活者、生活者同士の間で交わされる体験そのものに変わっています。「Everything is content. 」。テキストメッセージもソーシャルメディア上での会話も、動画もVRもIoTも、あらゆるものが現代ではコンテンツです。生活者は好奇心旺盛で、様々なコンテンツを通じて自らのエクスペリエンスをコントロールしています。

これから私たちは、生活者をどうコントロールするかではなく、彼らの好奇心が向かう先やその理由、共感(エンパシー)を引き出す方法について、考えていかなければなりません。