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2016年 人気を集めた動画広告から学ぶ、インドネシアでの動画戦略のポイント

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堀田有香
アジアクリック インドネシア担当

2014年よりインドネシア人との結婚を機にインドネシア・ジャカルタ在住。旅行好きで、これまでに30カ国以上を訪れ海外生活4カ国13年目突入。アジアクリックでは、ASEANと東アジア各国の現地特派員と共に日本とアジアの現地消費者が 。「知り合う・繋がり合う・うまくいく」コミュニケーション方法を主にSNSを通じて提供している。

 

動画アドテクノロジー企業であるUnrulyが昨年末、2016年最もFacebookを通じてシェアされた動画広告トップ20を発表した。ASEAN諸国の中では、タイとインドネシアから2件、ランクインしている。私もASEANでビジネスをするようになり3年になるが、この国の動画クリエイティブには人口世界4位としての活気ある経済成長の勢いを感じている。そこで今回はこのランキングで19位になり、インドネシアにて54万回以上シェアされ、再生回数300万回を超えたメントス社の動画広告を紹介したいと思う。


人気の背景にはインドネシア人の心を掴んだ国民文化への理解がある。動画広告の冒頭、When did we forget to connect with each other ? (私たちはいつから人との関わり方を忘れてしまったのか) というメッセージから始まる。

 

 

舞台はバス停、カフェ、公園などの町中。動画の中では子供たちがモニターから大人の行動を把握し、マイクを通じて、知らない人に話しかけるように伝え、ジョークを言うように指示する場面がいくつか流れる。

 

動画を通じて、子供の時は簡単に人と話すことができたのに、いつからかジョークを言わなくなり、知らない人と話すこともなくなったのかを気づかされる構成になっている。

 

そこで、Connecting with people is simple.(人とつながることは簡単である) とメッセージが流れる。

 

最後の場面では、バス停で知らない人に、「メントスどうですか」と声をかける内容で締めくくられている。

インドネシア人の平均年齢は29,9歳、初婚平均年齢が男性25歳、女性22歳と言われている。国民の中心となる世代が、ちょうど家庭を持ち、子供たちのために一生懸命働いている世代であるということだ。また、インドネシア人は仕事の際、ジョークを言い、仕事仲間とも友人のように接するのを希望している。

もともとインドネシアは大家族且つ仲間と過ごす時間を何よりも大切にする民族であったが、首都ジャカルタでは、近代化と共に、働く世代の若者は以前より仲間と過ごす時間が取れなくなった。

そういった、インドネシア人的人間性が背景にあり、この動画に心を奪われたと考えられる。インドネシアで人気となる広告における重要な要素の一つは、人と人とのつながりに関するテーマが含まれていることだと言えそうだ。