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コラム

椎木里佳の「JCJKの生態と欲望」研究所

雑誌『Popteen』ヒットの鍵は?若者が夢中になる「ゆらちょぱるん」の仕掛け

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私がJCJK向けに放送している静岡放送「#椎木パイセンの放課後ラジオ」にゲストが来ました。ティーン向けファッション雑誌「Popteen」の編集長・森茂穗さんです。(2/10・2/18放送回)

一見すると、良い意味でやんちゃな感じの印象を受けましたが、話してみると、森さんのティーンに向けて雑誌をつくるためのするこだわりが見えてきました。

Popteenは、森編集長になってから出版部数が9万部から12万部へと増加したそうです、中には完売する号も。出版不況と言われる中で、ここまで好調な秘訣はなんでしょうか。

紐解くキーワードは10代の女の子なら誰でも知っているワード「ゆらちょぱるん」です。

流行の発信地は、渋谷から原宿にシフト。ギャル文化の変遷

「ゆらちょぱるん」の説明の前に今の10代のギャル文化の変化を知っておく必要があります。

かつてギャル文化の中心は渋谷でした。1990年代後半から、渋谷には「コギャル」と呼ばれるティーンが街を席巻し、文化を作りました。ですが、今の10代には渋谷という街はそれほど魅力的ではなくなっています。109に足を運んでも女子高生たちの姿は目立ちません。客層は、20代後半の方が多い印象。それに合わせて多くのギャル雑誌が休刊、危機的な状況です。

例えばギャル雑誌の『Ranzuki』。コギャル文化全盛期の頃は、“色黒&金髪”のモデルを多数輩出し、渋谷系ギャルの王道を貫いていましたが、徐々に“原宿系ファッション”へ移行。2016年10月には休刊になるのですが、その最終号は、モデルたちのメイクもアイドルのようなナチュラル風になり、当初とはまったく別の雑誌になったかのように感じます。

森編集長も言われていたのですが、ギャル文化は渋谷から原宿へとシフトしています。歩いて10分しか離れていない渋谷と原宿ですが、渋谷はギャル、原宿は古着など個性派と、いままでは2つの土地で全く別のカルチャーが根付いていました。しかし、原宿がティーンのトレンドを発信する街へとシフトしたことは、いままでのガールズファッションの歴史にはなかった大きな流れです。

その変化は今の『Popteen』の編集にも活かされています。そのキーワードとなるのが「ゆらちょぱるん」です。

次ページ 「「ゆらちょぱるん」ってなんだ?」へ続く