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当たり前のものに向かって、当たり前の言葉で書く

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言葉だけでなく映像も勉強する

武田:先日、サントリーさんとのお仕事で「美しい鳥は、美しい森で生まれる。」という天然水の森の活動を伝える広告を制作しました。鳥を見れば森が健康かどうか分かる、ということから、実際に森で拾った葉や枝で鳥を描きました。

赤い葉を探しに森に入ったのですが、ただ赤いだけの葉は存在しないんですよね。どれも1枚の中に宇宙があるというぐらい色が入っていて。自分で動かないと見えないものがあることを実感しました。机上の空論で企画していたんだなと気づき、コピーを書き直しました。

西村:やはり関わったことがないものは書けないんですよね。感覚がシャープになったり、違うものを出せるようになったりするためには、そういう関わりを自分からもつようにすることが大切です。

武田:その仕事がきっかけで、今度は森と水を繋げようと話が広がりました。以前はひとまず企画をしようとしていましたが、今回は「まず水と森を知りたいです」とサントリーさんにお話して。今度森に入ろう、という話になっています。その時に湧水が地下水になり、天然水のボトルになるまでに20年かかることを教えてもらって。

こうした時間の流れの雄大さを背負える広告をつくりたいなと思っています。

西村:自ら関わることは、やはり大事ですよ。それから広告の表現は言葉だけで成り立っている訳ではなく、言葉と映像、音楽が組み合わさってできるものです。ですから、コピーライターも言葉だけを扱ってちゃダメだと思うんです。

僕は映像を理解できないと広告制作は難しいと思っていて、最初に入社したデザイン事務所では見よう見まねでデザインも勉強しました。写真も大切で常にカメラを持ち歩いていましたが、写真の良さは自分で撮らないとわかるようにならないんですよ。言葉だけに頼ると言葉遊びになるので、若い人は映像や写真にも積極的に挑戦したほうがいいと思います。

コピーライターは「自分はクリエイティブディレクターだ」と思って、映像と言葉の関係を把握して、世界観をもってコピーを書くと、何でもない言葉でも関わり合いの中でコピーとして成り立つようになります。

武田:きちんと関わること、世界観を もって書くこと、これからコピーを書く ときの自分の軸にしていけたらと思いま す。ありがとうございました。

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