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コラム

椎木里佳の「JCJKの生態と欲望」研究所

コスメは100円単位で切り詰めても、ライブに数千円を惜しまないのはなぜ?10代のリアルな消費心理に迫る

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先日、ニッポン放送のよっぴーさんと対談した時に、10代の消費行動についてのこの発言が「意外だった」と、30代以上のビジネスマンの方を中心に反響がありました。

引用>>周りの子たちを見ていて最近感じるのは、リアルなものにしかお金を払わないってことなんですよね。(ニッポン放送よっぴーが聞く「椎木さん、ネットしかない世界ってちょっと寂しくないですか?」)

今回は、10代のリアルな消費行動についてさらに掘り下げていきたいと思います。

安ければ使用済みのコスメでもポチる!10代の3人に1人が使うメルカリ

今、10代の買い物の代名詞といえば「メルカリ」です。20代、30代がアマゾンで買うことを「ポチる」というように、10代にとっては「メルカリ=ECショップ」という存在になっています。10代の3人に1人がメルカリを使っているというデータもあります。

高校生の平均の月間お小遣いは月に5000円前後と言われています。それに加えて10代のバイト率は約20%。日々の雑費や交際費を差し引けば、彼らの月間の融通できるおカネはせいぜい数千円といったところでしょう。だからこそ「1円でも安く」購入できるメルカリは学生にとって大人気なのです。特に女子高生たちに人気なのがコスメ。たとえ元値が数百円のものだとしても、安くていい状態であれば「新品で買うより100円安い!」と飛びついて中古品をポチります。そして「安くゲットできた」という状態が仲間内で好評になり、仲間同士でメルカリに参加する、という構図が出来上がっています。

ここで興味深いのが、コスメには100円200円を節約するのに、「リアルなイベント」への出費は惜しまないという点です。例えば10代にも根強い人気を誇るRADWIMPSのライブは約8000円。それでも高校生たちはなんとかして捻出します。普段の音楽はテレビを見るかYouTubeもしくはMusicFMで済ませる彼らが“リアルな”体験には惜しまずおカネを払います。TGC(東京ガールズコレクション)でも5000円以上する入場券がバンバン売れていきます。何より驚いたのはグッズの売れ行き。タオルも一枚だけでなく、保存用も合わせて購入していく10代の姿が多く見られます。

この差は一体どこから生まれてくるのでしょうか。そのヒントは街角のカフェにありました。高校生が2人以上のメンバーでカフェに入って“カワイイ”ドリンクを写真に取りながらワイワイ騒いでいる姿はよく見かけます。でも1人でカフェに入っている姿はあまり目にしません。なぜでしょうか。それは「一人で入るにはカフェは高すぎる」けれど、複数で「体験を共有できる、リアルに盛り上がれる」のであれば、10代の財布のヒモは緩むからです。「シェア」というのは依然として強いキーワードであることは間違いなさそうです。

次ページ 「「シェア消費」に積極的な10代は、ネットショッピングだってシェアしたい?!」へ続く