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「クロレッツ ミントタブ」のCMをAIと人間で制作してみたら

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世界初の人工知能クリエイティブディレクター「AI-CD β」

世界初の人工知能クリエイティブディレクター「AI-CD β」。

「AI-CD β」は、私たちMcCANN TOKYO/McCANN MILLENNIALSが開発した、CM制作のためのクリエイティブディレクションが可能なAIです。

私たちは、このAIのために「ACC CMフェスティバル」テレビCM部門の過去10年分の受賞作品のほか、さまざまなCMを構造分解、独自のルールでタグ付けして開発を進めました。結果、「AI-CD β」は自身のデータベース上から商材や訴求内容に応じて最適なCMをつくるためのクリエイティブディレクションを行うことができるAIとして、この世に生を受けたのです。

そもそも、広告クリエイティブ領域におけるクリエイティブディレクションは、今までクリエイターの暗黙知とされ、ブラックボックス化していました。しかし、データとアルゴリズムによって暗黙知を構造化した「AI-CD β」によって、そのブラックボックスの端っこを垣間見ることができるようになったと言えます。

AIと人間による初めてのCM制作

「AI-CD β」は、我々と同じ社員として2016年4月に入社し、クリエイティブディレクターとしての初仕事を受注しました。それは、「クロレッツ ミントタブ」というタブレット製品のリニューアル告知CM。クライアントからのブリーフ(宣伝会議賞でいうところの「課題」)を受け、「AI-CD β」が出したクリエイティブディレクションがこちらです。

「クロレッツ ミントタブ」のリニューアル告知CMの企画制作にあたり、「AI-CD β」が指し示したクリエイティブディレクション。

それを元に、私たち人間が制作したCMがこちら。

「AI-CD β」のディレクションの下、制作されたCM。

このプロジェクトは、AIと人との協働によるクリエイティビィを評価する意味もあり、別チームとして人間のクリエイティブディレクターによるCMも制作しました。そして、各CMのクリエイティブディレクションを行ったのが「AIか人か」は知らせず、「クロレッツミントタブの伝えたいことがより伝わったと感じるのはどちらか」を視聴者に投票してもらう企画を展開しました。

結果は、AI対人間=46対54。僅差で「AI-CD β」は敗れてしまいましたが、この取り組みはデータとアルゴリズムによるクリエイティブ開発への「はじめの一歩」として、広告業界に足跡を残すことができたのではないかと思っています。

次ページ 「広告クリエイティブと人工知能の近未来」へ続く