澤本さん脚本の『ジャッジ!』は最高の映画
澤本:泰延くんのブログを読むと、映画評も映画を応援するじゃない。あれで勇気づけられる人がいっぱいいると思うんですよ。いろいろな人に褒めてもらうとうれしいけど、泰延くんが僕の映画を見たときに面白いと褒めてもらったのがうれしかったもん。
田中:この話は長くなるけど、澤本さんが脚本を書かれた映画『ジャッジ!』は最高ですよね。監督の永井聡さんもいいし、「こういう道具が絶対に後半生きてくる」とわかってるけど、効いてきたら気持ちいい。絶対ここで「ちくわ」が来るぞという(笑)。そういうセオリーを全部押さえつつ、出る人のフレッシュさを最大限生かしていて。あと、あの映画の中での北川景子以上に綺麗な北川景子はいないですよ。
中村:そうかも(笑)。
田中:全編通して生脚なんですよ。
一同:(笑)
澤本:気が付いてなかった、それ(笑)。さすがに見てるところが違う。自分で書いておいて、気が付いてない。
田中:画面止めますよ、生脚は(笑)。
じつは喜劇が一番泣けるじゃないですか。人間を悲劇で泣かせるのは簡単だけど、悲劇の泣かせは深い泣きじゃないんですよ。たとえば僕が中村さんに会って、切々と「二十歳のとき、こういうことがあって」と苦労話をすれば、ちょっとほろっとすると思うんですけど、それは同情の泣きですよね。
ところがコメディの泣きは笑うというところで感情がナチュラルに揺さぶられてるんですね。そこで登場人物が意外なことをスッと言う。映画版『ドラえもん』のジャイアンでもいいですけど、意外な人が意外なところで、ここぞというときに一か所だけ泣かせると、この泣きは深いですよ。だから『ジャッジ!』でもめっちゃ泣きましたもん。
権八:あれは僕も勝手に自己投影して泣きましたね。みんな泣く映画じゃないと言うんですけど、僕は嗚咽するほど号泣してたので、たぶん超気持ち悪かったと思います(笑)。
田中:褒めても褒めても褒め足りないんだけど、脚本が素晴らしい。北川景子の最初の登場シーン、競馬のテレビを見てるシーンから最後のセリフまで、バチーンとはまってるんですよ。これが何というか、パズルですよね。パズル感覚というのは佐藤雅彦さんが言ってた、ルービックキューブを解くときのようなとか、僕の同期の高崎卓馬くんも・・・。
権八:高崎さん同期なんですか? ちょっと形が似てる(笑)。
田中:いや似てきたの(笑)。昔は違ったんですよ。あいつは細かったから。高崎もよく言ってる、パズルが最後一瞬でハマるというところに人は感動すると、その感覚ですね。先日、ホイチョイ・プロダクションズの馬場監督とお会いしたんですよ。この番組によろしくとおっしゃってました。
澤本:出たいのかな(笑)。
田中:もう1回出たいのかも(笑)。『ジャッジ!』の話もいっぱいして。あと、ご自分の『バブルへGO!! タイムマシンはドラム式』の話もして、あの映画も素晴らしいんですよね。コメディとして、小道具、タイムスリップ、CGで何を見せるか、全部完璧ですよね。ほろっとくるところがあって。それから遡って山田洋次監督、古澤憲吾監督、若大将シリーズ、クレージーキャッツの話を延々3時間ぐらい盛り上がって。
そこでもコメディというのはすごい大事という話を。機嫌よくなるじゃないですか。人を機嫌よくさせようというのを何か月も脚本書いて、何か月も撮って編集して、ずっと誰かを機嫌よくさせること。関わる人全員が一度でもモチベーションが下がったらできないんですよね。この全体のエネルギーが僕は映画だと思っていて。それを受け取ったときは、全身全霊で褒めるしかないと思って書くんですよ。
澤本:だから書いてるものに愛があるものね。
田中:結構観てるんですよ映画。でも、これはちょっと書けないなというのは書かないようにしてます。
権八:最近のコラムで「じゃがりこ」をいっぱい買って見なければいけなかった、あの映画評も面白かったですね。
田中:『フィフティ・シェイズ』シリーズね。あれは全身のけなし芸ですね。あそこまでとんでもないと、見に行く価値があります(笑)。一作目の『フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ』がコメディにしか見えないけど大真面目という。そしてエロい映画のはずだけど、全くエロくない。何もかもできてない、全てが描けてないので、僕はそこで見ながらじゃがりこを3箱食べたんですね。
一同:(笑)
田中:という話をしたら大変な反響があって。今年第2弾『フィフティ・シェイズ・ダーカー』が2年ぶりにやってくると聞いて、初日行きましたからね。
権八:けなすために(笑)。
田中:けなすために(笑)。
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