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コラム

電通デザイントーク中継シリーズ

電通×アマナ コラボ企画 「ビジュアルが持つ力の本質とは?」【前編】

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ビジュアル×テクノロジー

小柴:続いてのテーマは、「ビジュアル×テクノロジー」です。電通グループの横断組織「Dentsu VR Plus」代表の足立光さんと、アマナ VR Contents Team 執行役員の岡本崇志さんから、VRの最新事例を紹介してもらいます。

足立光
電通 ビジネスD&A局 バリューチェーン戦略室 新領域開発部 ディレクター

1990年入社。当初からDTP、CG、VR、AR技術を活用した表現を模索し、最新テクノロジーを駆使した海外向けデジタルクリエーティブ業務に従事。20年以上にわたりVRを活用したメソッドに携わり、2016年に電通VR事業を推進する社内タスクフォース「Dentsu VR Plus」の代表として、VR/ARのメディア化、大衆化を目指す。

足立:現在のVRの世界は、グーグルやフェイスブック、アマゾン、アップル、マイクロソフトなど、多くの企業が参入しています。例えばフェイスブックは、コミュニケーション活性化ツールとして、「Spaces」というアプリケーションのベータ版を提供しています。これは、違う場所にいる友人と、まるで目の前にいるかのように話をしたり、一緒に場所を移動したりできるアプリです。

これはVRの次の領域として注目されている、ARとVRを融合させた「MR」(ミックスドリアリティー)の第一歩になります。このMRはもはや遠い未来の話ではありません。3年以内には実用化されるのではないかと言われています。

岡本:われわれアマナの持つ、撮影やCGに関する技術とストックフォトなどの経営資源に表現力を組み合せれば、新しい「体験」を生み出すVRコンテンツをつくることができます。

伊勢丹新宿店のイベント「JAPAN SENSES(ジャパン・センシズ)」でも、VRによって店舗内で屋久島を体験してもらいました。VRによるリアルな体験を、物販につなげる試みです。制作期間や予算が限られる中、われわれamanaimagesで取り扱いを始めたVRストック素材を使うことで、低コスト・短期間で制作できました。

岡本崇志
アマナ VR Contents Team執行役員 プロデューサー

2000年入社。企業の広告キャンペーンを中心にアマナならではの表現力を生かした幅広いコンテンツプロデュース業務を担当。担当領域はグラフィク・テレビCM・ウェブなど、多岐にわたる。現在は、VRを中心としたデジタルコンテンツの企画・制作を行うプロジェクトチームのリーダーとして、ビジュアルコミュニケーションの観点から企業のコミュニケーション活動におけるテクノロジー活用の提案を行なっている。

もう一つ「リアルタイムレンダリング」での事例を紹介したいと思います。これは、CGを活用することで、自分自身が空間を自由に移動できるんです。物の裏側を見るような体験も可能で、これまでの受動的な映像体験と違い、能動的な体験が可能になります。

例えば、これまでは自動車の販売店でカタログやウェブブラウザなどを見ながら、グレードや色、オプションをカスタマイズしていましたが、「リアルタイムレンダリング」であれば、CG上で実物サイズの理想のクルマを体験することが可能になります。このように体験を購買につなげていくことができるわけです。

足立:ショールームにいながら、車を運転する体験もできるんですよね。

岡本:はい。コントローラーを使えば、運転体験だけではなく、自分の手で物をつかんで投げるといった体験もできます。他にも、未来世界のような実在しない世界を体験させたり、住宅やインテリアのシミュレーションも可能です。

現時点では、広告やプロモーションに加えて、建築現場の安全体験や新入社員の育成にも活用されています。とても可能性のある技術ですから、今後は、もっといろんな動きが出てくるのではないでしょうか。

足立:2020年に向けて、これまでと違うスポーツの見方を提案しようという動きが起きています。KDDIの自由視点技術では、自分がフィールドに入ったような感覚でスポーツを観戦できます。そういう時代の到来を見越して、VR素材やコンテンツを入れておくプラットフォームをアマナと一緒に構築していくことを考えています。

小柴:VRは個人的に遠い未来のものというイメージを持っていましたが、お話を聞いているうちに「自分ごと化」されてきました。

足立:今はスマートフォンが出始めた頃と似ていると思っています。発売当初は「何に使うの?」と思っている人が大勢いましたが、いつの間にか便利なツールとして普及しました。VRも同じで、あっという間に生活に浸透していくでしょう。

<後編に続く>

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