カート離脱者に最短24時間でパーソナライズドDMを発送
ディノス・セシールは2017年9月、同社運営のECサイトでカートに商品を入れても購入に至らなかった顧客に対し、最短24時間で紙のDMを印刷・発送する取り組みを行った。検討していた商品内容が反映されたパーソナライズドDMで、メールだけ送った顧客に比べ、紙も発送した顧客の購入率は約20%向上したという。同社では2018年4月から、ECとカタログやDM等の紙をリアルタイムで連携させたCRMシステムの本格運用を目指しており、今回の取り組みはその一環だ。
プロジェクトを主導する、ディノス・セシールCECOの石川森生氏は長くEC領域でキャリアを積んできたデジタルに精通したマーケターだ。なぜデジタルに精通する石川氏が紙メディアのイノベーションに着手したのか?その狙いと背景を聞く。
—なぜ、ECのビジネスから紙のカタログを長く発行してきた通販会社に移籍したのですか?
これまで長く、ECの領域でマーケティングの経験を積んできましたが、数年前にオムニチャネルという概念が出てきて、また自分の生活を見てもデジタルだけに閉じた消費行動はありえないと考えるようになりました。
そうした中で、自分のこれからのキャリアを考えた時、ECのことだけやっていればよいのだろうか、という思いを抱くように。そこで複数チャネルをまたいだマーケティングができるビジネスに関心を持つようになり、2016年2月にディノス・セシールに入社しました。
リアル店舗とECのオムニチャネルに精通したマーケターはすでにいらっしゃいますが、テレビとEC、紙とECという領域は先行しているマーケターがまだ日本にいなかったことも、この会社を選んだ理由のひとつです。
—今回のプロジェクトはいつ頃から企画していたのでしょうか。
入社して2カ月ほど経過した頃には、すでに今回のプロジェクトの全体像は描けていました。ただ当時は、コストと性能の面で対応できるデジタル印刷の技術が整っておらず、継続して実施できる仕組みを構築できるプレイヤーを探していました。今回、プレイヤーが見つかったことでプロジェクトの具体化に向け本格的に稼働することになりました。
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