紙メディアでタイミングのパーソナライゼーションを実現する
—若年層は、紙メディアから離れているという指摘もあります。
確かに紙のメディアで購買意欲を喚起できる層の年代が上がっている現状には対策が必要です。例えば30~40代のお客さまの日常は、スマホゲームやSNSなど紙のカタログだけでない、リッチなコンテンツに溢れており、相対的に紙の価値が下がっていることは事実です。彼らの余暇時間を再び、紙のカタログに消費してもらうための努力が必要であり、それが今回のカート離脱者に対するパーソナライズドDM発送のプロジェクトにつながっています。
—今回の取り組みは今後、どう進展していくのですか。
パーソナライゼーションには2種類あって、ひとつがコンテンツで、もうひとつがタイミングです。そして、これまでの経験からコンテンツのパーソナライゼーションより、タイミングのパーソナライゼーションの方が、効果が高いという実感があった。最近、マーケティングオートメーションが浸透しているのも、タイミングのパーソナライゼーションを実現できる点が支持されているのだと思います。
紙メディアでタイミングのパーソナライゼーションを実現する。これが今、目指していることです。そして、その実現のために考えたのが、WebのCRMのシナリオに紙も組み込んでしまうことでした。従来は、そのスピード感に対応できる印刷業界のテクノロジーがありませんでしたが、今はデジタル印刷機の進化があってリードタイムが大幅に短縮され、今回のようにタイミングのパーソナライゼーションが実現できることが実証できたと思います。今回はDMでしたが、最終的にはカタログのパーソナライゼーションの実現を目指していきます。
ディノス・セシール
CECO(Chief e-Commerce Officer)
EC本部EC企画1部 ゼネラルマネージャー
石川森生氏
SBIホールディングスに入社、SBIナビ(現・ナビプラス)の立ち上げに参画。その後、ファッション通販サイト・マガシークでマーケティング部門の責任者として、サイトリニューアルやサイト改善PDCAを確立、広告CRM最適化、海外の最先端ソリューション導入を推進。タイセイのWEB部門を分社化したTUKURUを創業。2016年2月より現職。
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