広告主の視点で見るCESレポート③ 「ボイス」が劇的に変える、コミュニケーション

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【前回】「広告主の視点で見るCESレポート②「テクノロジーが実現するパーソナライゼーション」はこちら

米国・ラスベガスで1月9日から開催される「CES(コンシューマー・エレクトロニクスショー)2018」。江崎グリコの玉井博久氏が広告主の視点から、現地よりレポートします。

「ボイス」を介した情報のやりとりが前提に

「GAFA」と呼ばれる世界の巨大プラットフォーマーに属するAmazonとGoogleがしのぎを削っているのが、「ボイス」という分野です。音声認識技術の進化によって生まれた概念ですが、このボイスは、例えば昔の江戸時代における活版印刷技術誕生による活字メディアの誕生のようなもので、私は近代のラジオ、テレビ、そしてインターネットの次に来る新しい情報インフラと言えると考えています。
この10年、スマートフォンが情報端末をリードしてきたわけですが、情報インフラという意味ではスマートフォンよりもボイスの誕生は目に見える形で劇的に情報のやりとりを変化させています。まさに、ここからの10年はボイス時代と言って過言ではないと思います。

昨年の「CES2017」でAmazonのAlexaを搭載した企画が続々と発表されていましたが、今年はスタートアップ企業が出展する各ブースにおいてGoogle Assistantを搭載した商品が多く見受けられました。また大手企業のプレスカンファレンスの発表では、もはやボイスを介して情報のやりとりをする機能が前提となっていました。

大手各社が発表する新技術・概念

例えばPanasonic。彼らの考える「Vehicle of the future」が発表されましたが、「ボイスはコミュニケーションする自然の方法」とし、車内における情報取得を音声のみで実現するプレゼンが行われていました。

SAMSUNGは、「Family Hub」という概念を提案。冷蔵庫に設置したディスプレイに向かい、音声によるやり取りをすることで、その日の自分の予定を確認したり、冷蔵庫の中にある食品やそれぞれの賞味期限、それらを活用したレシピの提案を受けることができます。

またSONYもボイスコマンドロボットは注力する対象のひとつとして挙げ、次世代「アイボ」をリリースすることを発表しました。

AIBOの発表をするSONY。

江崎グリコもCESに出展

ボイス時代の到来に向けて江崎グリコもAmazon Echoの日本最初のスキルのひとつとして展開したのが「教えて!ぐりこっち」です。今回、日本の食品メーカーとして初めてCESに出展しています。 Amazon Echoを立ち上げ、ぐりこっちというキャラクターを呼び出すと、管理栄養士やプロのスポーツトレーナーに長年愛用されてきたWebサービス「栄養成分ナビゲーター」を活用した、食品の栄養素や調理法、ちょっとした雑学を教えてくれるという内容です。
ユーザーからは「子どもが食べることに興味を持つのに良い」「食材を学べながら家族の会話が弾む」といった反応を頂いていました。今回CESの展示でも同様の反響を頂きました。今後はユーザーの反応を見ながら機能改善を続け、各ご家庭の食卓における「おいしさと健康」をサポートすることを目指します。

以上、現地から3回にわたるレポートをお届けしてまいりましたが、テクノロジーによって、ストーリーテリングが劇的に変化する、パーソナライゼーションが加速する、メディアの中心はボイスに移るといったことを感じました。今後の広告・マーケティングに生かしていきたいと思います。

「子どものいる家庭の食卓に良い」と好評を得た、日本最初のスキルの1つ「教えて!ぐりこっち」。

玉井博久
Glico Asia Pacific Pte.Ltd.
Regional Creative/Digital Manager
兼 江崎グリコ アシスタントグローバルブランドマネージャー

リクルート、TUGBOATグループを経て江崎グリコ広告部に。グローバルブランドのポッキーとプリッツを担当し「PROJECT:シェアハピ」「GLICODE®」「プリッツの気持ち」「Pocky day」「教えて!ぐりこっち」などを手がけた後、2017年12月よりシンガポールに出向。著書に『宣伝担当者バイブル』(宣伝会議発刊)。

 

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