コラム

社会とアイデアの補助線

「ギブ&テイク」の行く末は、幸福か疲弊か。 — #4 give&givenの法則

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クルミドコーヒー、“健全な負債感”を与えることで愛される珈琲店

(東京・西国分寺駅から歩いてすぐに位置。店内もかわいいですよ)

これまで僕が述べてきたgive&givenの法則に対し、「そんなの理想論で、現実には成り立たないよ」という声が多いであろうことは承知しています。ですが、実際にビジネスを成立させているお店を簡単にですがご紹介して記事を締め括らせてください。

それは東京都・国分寺にある「クルミドコーヒー」という珈琲店。書籍「ゆっくり、いそげ 〜カフェからはじめる人を手段化しない経済〜」の著者としても知られる影山知明さんが経営されるカフェで、実は僕がこの記事で連呼してきた「take&taken」「give&given」という言葉や考え方は、すべてこの本から拝借しています。

影山さんはご自身のお店でまさに「give&given」を日々実践されていて、それを体感しようと僕もお店へと足を運んでみました。コーヒー1杯の値段は都心の珈琲店とさほど変わりませんが、異なる点はいくつも見受けられます。たとえば、そもそも西国分寺にはそんなに多くのカフェやたまり場がないのですが、その中にあってひときわ目立つかわいい外観であること。こだわりの店内に置かれたクルミがすべて食べ放題であること。店員さんが楽しそうに働いていること。僕はみることができませんでしたが、不定期で演奏会や様々な催しが行われていること。

これらはあくまで一例にすぎませんが、お店に行けばきっと“支払った金額以上のものを受け取っている”感覚におそわれるはずです。そしてそれは“お返ししたい気持ち”を生み、再来店や口コミへとつながります。影山さんはその気持ちを“健全な負債感”と呼び、それはお客さんが支払う金額以上のものを自らすすんでギブする「不等価交換」によって生まれる、ということを意識されてお店を経営されているそうです。これに通ずるものを、今まさに実体験として感じているところです。

「take&taken」から、「give&given」へ。

日々の仕事でも実践するのは本当に難しいなあ、と思いつつ。まずは自分から、少しずつ、始められればと思います。

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