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<Chapter.1>事例から法則性を導く
発展途上国の空き巣被害を防ぐには?
もし国民の多くが貧困に苦しんでいて、治安も悪く、空き巣被害が多発している状況だとしたら。いったい、どんな解決策がありうるでしょうか。
そのヒントは、「カンヌライオンズ2017」にてプロダクト・デザイン部門のグランプリに輝いた事例から、読み解くことができるかもしれません。
南米・コロンビアの中心街は、ある程度治安が保たれているものの、国内の所得格差は大きく、1日平均収入が3.5ドル以下の方々が800万人いるといいます。
こうしたいわゆる“貧困層”と呼ばれる人たちは、銀行口座が開けないのでタンス預金をすることが多いそうですが、そうすることで、それを狙った空き巣被害に巻き込まれるリスクが高まってしまうそうです。
そんな状況に対して、なんとかしてタンス預金を守ることができないか?と立ち上がったのが、コロンビアの通信会社TigoUNE。
彼らが目をつけたのは、コロンビアでは至る所に設置されている「公衆電話」でした。TigoUNEの店頭で口座を開設すれば、身近な公衆電話にコインを投入するだけで預金ができる仕組みを設計。預金情報はガラケーを通じて管理でき、さらにそのお金で公共料金や家電製品などの支払いなども可能にしてしまいました。
この「Payphone Bank(ペイフォン・バンク)」が立ち向かったのは、800万人の貧困層が抱えていた「働きに出たくても外にも迂闊に出られない」という相当困難で大きな問題。国策で対策しようにも莫大な費用がかかりますし、かといって彼らの近くにいる人たちが手助けするのも現実的とは思えません。
そんな状況に対し、「ペイフォン・バンク」は国や周囲の人に頼るのではなく、彼らが日常的にアクセス可能な公衆電話(=日用品)を救世主(=銀行)に変えてしまった、という見方ができるのではないでしょうか。
なので、このアプローチ手法をより一般化して、“日用品の救世主化”の法則と名付けてみました。
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