コラム

澤本・権八のすぐに終わりますから。アドタイ出張所

「リベンジ成人式」は善意ではなく、新サービスの広告だった!?(ゲスト:キングコング西野亮廣)【前編】

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なぜ、文字をお金にできると思ったのか?

中村:すごい勢いでユーザーが増えてるじゃないですか。僕が最後に見たときは2万人ぐらいで、今はもっと増えてますよね?

西野:1カ月で4万3千人ぐらいですね。まずレターポットを把握しようと思ったら、大前提として入れておかないといけないのは、紙幣の成り立ちですね。紙幣ってなんで、どうやって生まれたんだという紙幣の歴史を把握してないと難しいと思います。今日はお三方にこんな話をするのは釈迦に説法で恥ずかしいんですけど、一応ゼロから話させてもらいます。

中村:ありがとうございます(笑)。

西野:もともと通貨は貝殻や稲、塩など、いろいろな形があったわけじゃないですか。形を変えて、あるとき金、ゴールドになりましたよね。僕たちの先祖は、金と商品、または金とサービスを交換して、金を媒介物として生活していたんだけど、あるときたぶん誰かが「金は持ち運ぶの重くない? リスク高くない?」と言いはじめて。

それで現れたのが金匠(きんしょう)という、頑丈な金庫をもっていた人です。金匠のおっちゃんが「うちで金預かるよ」と言ってくれて、100ゴールド預けると、「100ゴールド預かりました」という紙ペラの預り証をいただいて。僕はこの預り証をもって、たとえば焼きそば屋に行って、100ゴールドの預り証で焼きそばを買うんです。

「大丈夫です、これを金匠のところにもっていったら100ゴールドと変えてくれるから」と。焼きそば屋はこのタイミングで金匠に行って換金しないといけないんですけど、「換金、面倒くさいな」と言い出したと思うんですよ。だって、100ゴールドの預り証に100ゴールドの価値があるということを西野は知ってたし、あと何人かは知ってる奴がいると。

そう言えばかき氷屋のおっさんは知ってたなと。それで換金せずにかき氷屋からかき氷を買って。預り証が金に変えられずに預り証だけで回ってしまう、まさにこの瞬間に紙幣が生まれたと。もともと預り証は金と交換します、という裏付けがあったにもかかわらず、みんなが預り証に価値があると信じてしまったから、金と交換されずに預り証だけで回ると。

中村:なるほど、紙でやり取りしてたら、ふと気づいたら「この紙でよくね?」と言い出したと。

西野:日本は1931年ぐらいにもう完全に換金しませんと言ったはずなんです。預り証だけで回ってしまって。だから僕たちが使ってる紙幣って換金してないじゃないですか。1万円札が原価22.2円ぐらいだと思うんですけど、みんなが1万円の価値があると信じてるから、あれが1万円として回る。ここから読み取れるのは何かというと、お金の本質はみんなが信じたらお金になるということです。

仮にジャングルに1万円札をもっていって、部族に見せても通用しない。それは信じてないから。みんなが信じた瞬間にそれが価値をもつというのは極めて宗教的だなと思います。そこからまた考えていって、じゃあ何でもかんでもお金になるのかと思ったんです。確かに貝殻、塩、稲になったし、金、ついには紙になったけど、はたして何でも僕たちはそれをお金として信用できるのかなと。

そう思ったとき、たとえば魚がお金だとするじゃないですか。でも、魚は信用できないですよね。100魚もらっても腐っちゃうので。魚は腐っちゃうからお金として機能しない。このことからわかるのは、お金を信用する要素は何個かあって、そのうちの1つは腐っちゃったらダメということです。

権八:そうですね。

西野:信用する要素は大きく3つで、それがそのままお金の機能なんですけど、1つは価値を保存できること。貯金しておける、好きなときに使える。あと、価値の尺度。つまり100円のリンゴと千円のメロン。どっちのほうが価値あるのと、物差しとしての機能がそこにあること。もう1つは交換の手段。千円払ったら千円分の何かをくださいと。交換の手段として機能しないといけないので、たとえばでかい岩はお金としては無理ですよね。交換しにくいし、持ち運びできないと交換できないので。

価値の保存、価値の尺度、交換の手段。この3つが信用する要素と思ったときに「アレ?」と思ったんです。言葉はこの3つの機能を兼ね備えていると。言葉は保存できるし、尺度にもなる。たとえば好きなものは長くしゃべれるし、好きじゃないものは短くなる。あと交換の手段。僕が先輩にご馳走になったら「ご馳走様です」と言うし、翌日に「ご馳走様でした」とメールを送るし。これは先輩が提供してくださったサービスに対して文字で返してるんですね。

だから、言葉って、文字って通貨として機能すると思ったんです。ちょっと待てよ、なんでこんな便利なものがこれまで通貨として機能してなかったんだろうと。だって、お金は硬貨、紙、クレジットカードでデータにもなったわけじゃないですか。じゃあ、言葉がお金になってもいいのに、なんで人類が誕生して、言葉が生まれて、こんな持ち運びがきいて、便利なものが、通貨になってないのかなということに当たって。これは何なんだろうと考えたとき、お金を信用できる要素、3つと言ったんですけど、じつはもう1個だけあって、流通量なんです。

澤本:量?

西野:1万円札がべらぼうに刷られてしまうとみなさんの財布に入ってる1万円札には何の価値もなくなっちゃうじゃないですか。それで言うと、言葉は、たとえば僕はこの後、5千文字を発行することできるじゃないですか。もっと言えば、今日しゃべり続けたら、10万文字も発行できますよね。

自分のさじ加減で増やせるんです。それを地球人全員がやっていて、言葉は無限に増えているので、言葉は流通しすぎていると。つまり、言葉の世界はハイパーインフレを起こしていたというのが自分の仮説です。なので、言葉が何の価値もなくなってしまっている。それであれば、言葉の流通量と発行数をコントロールしてしまえば言葉は通貨として機能するんじゃないか、というところから、レターポットは言葉の発行数、流通量をコントロールしてるんです。レターポットは今のところ1文字5円で売ってるんですけど、そこで買わないとレターという文字が使えないんですね。それを今みんなで回している状態です。

権八:面白い。あまりにもいろいろなことを根源的に組み替え直すというか、捉えなおすから、困りますよね(笑)。困るというか、すごいワクワクする。だって、いよいよ広告の本出しちゃいましたもん。

西野:いやいや、生意気に本当にすみません。『革命のファンファーレ』という本を出しました。

澤本:最近忘れてるけど、西野さん、サインしてもらってリスナーにプレゼントしたら? いいですか?

西野:はい、かしこまりました。どこかにサインして。

権八:本はちゃんとインスタ映えするようにしてるんですよ。正方形にして。あの手この手のヒットの仕掛けをめちゃめちゃ計算していて。あざとい!

一同:(笑)

中村:あざといと言えば、このサイン計画もやってくださることで。これをフォローしてリツイートしてくれた方にプレゼントして。連綿と続けると番組のフォロワーが増えていくかなと。

澤本:今、番組のHPをフォローしてくれてる人がほぼ西野七瀬ファンになってるんです。

権八:西野違いだけど。

中村:W西野ファン、いきましょう。

西野:みんなで盛り上げていきましょう。

<中編へつづく>

構成・文:廣田喜昭

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