動画の視聴“質”や“効果”を計測する方法が進化
携帯でも動画を活用した広告手法が広がっているが、このような動画広告を計測する手法も広がっているのでその事例を二つほど紹介したい。
一つ目が視聴“率”ではなく視聴“質”をAIによって計測するTVISION INSIGHTS社である。同社は国内に800世帯以上のモニターを有して、その家庭にあるテレビにセンサーを設置し、独自の人体認証技術がその家庭の統計化されたデータをリアルタイムに送信するシステムである。テレビの上部に設置されたセンサーの画像を解析してどのような人(年齢・性別)がどの場面でテレビを注視し、どのような感情を持ちあるいは見ていなかったかなどを解析するというのである。それらをVI値 (Viewability Index) と AI値 (Attention Index)という指標に変換し計測する。
センサーから送られてきたデータと実際に見ていた場面を照合することにより、番組やテレビCMのコンテンツの視聴“質”を解析することができる。特にテレビCMは多くの回数放送されるため、番組と比べかなりのサンプル数を得ることができるので有効な指標が得られる可能性が高いという。上の表で見られるように、コンテンツの毎秒の指標がわかるので今後のコンテンツの改善策に使うことも可能であろう。現在はテレビから始まっているが、携帯の画面や映画館などでも計測することは理論的に可能なため今後の拡張が楽しみである。
さらに、動画広告を見た効果検証も色々行われている。動画広告配信プラットフォームであるUnruly社では動画の感情分析や生体認証技術、音声検査手法などを用いた動画コンテンツ評価ツール「アンルーリーEQ」を提供しており、ネット動画の視聴で購入意向や視聴後の行動に大きな変化が起こるという結果が多く出ているという。このような手法を利用すれば、動画コンテンツが生み出す感情の種類、強度を把握し、広告キャンペーンの効果を事前に予測することが可能になり、それがブランド・イメージに合致したものであるかについても検証できる。
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