動画の活用を含むIMCを実施している資生堂の事例
最後に登壇した資生堂ジャパンの小出誠氏による取り組みを紹介したい。下の図を見ていただきたい。メディアの役割は、2000年代のPC時代と現代のスマホ時代では大きく変わっているという。PC時代の認知獲得はテレビ・新聞・雑誌がメインであったものが現在ではテレビとデジタルがメインになってきて、他のメディアは部分的な役割にとどまっている。興味に関してはすべてのメディアを活用しているがPC時代は入っていなかった「デジタル」が入ってきている。理解に関してはスマホ時代になって従来の店頭・雑誌・デジタルに部分的にテレビが加わり、トライアルは店頭と雑誌から店頭とデジタルに移り変わっている。また特にシネアドは、最近はテレビで捕まえにくい若者に認知させる方法として注目しているということであった。
さらに小出氏は流通の商談に活用するために、テレビとデジタルの共通指標の必要性を提唱した(下図参照)。民放公式テレビポータル”TVer”やサブスクリプション型動画配信サービス”SVOD”(Subscription Video on Demand)の普及やデジタルの進化を背景に、メーカー側ではターゲット顧客に訴求する最適なプランをつくっているにも関わらず、デジタル施策との共通指標がないために流通との間で認識のズレが生じてしまっているというのだ。日本アドバタイザーズ協会(JAA)のデジタルメディア委員長でもある小出氏は「これはJAAに加盟する消費財メーカー共通のテーマである」と述べている。店舗側にとっても、最適なマーチャンダイジングを行う上で重要なことであるはず。早期の認識の共通化が望まれる。
コラムとしてもかなり長く多岐にわたる内容になってしまったのであるが、まだここでは書ききれないほどの示唆があったがそれは別の機会に委ねたい。
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