「顧客」という言葉を使いたくない、という感覚が大事
藤崎:堀さんにとって「顧客視点」とは何でしょうか。
堀:個人的な意見ですが、「顧客視点」という言葉は好きではありません。どこか上から見ているような感じがして。まず、「顧客」という言葉が苦手です。お客さんのことを「顧客」と呼ぶところに抵抗があります(笑)。
なぜ嫌なのかと考えてみたのですが、やはり会社の中にいる立場で考えると、我々は「メーカー」と「顧客」という線をどうしても設けてしまうのではないかなと。あるいは、「サービス」と「ユーザー」とか。そこにはなぜか上下関係のようなものが発生するように思うのです。それはダメだと私は思います。なぜなら、会社から一歩出れば私たち全員が顧客でありユーザーです。一消費者として買う物を選んだり、個人的にクチコミを調べたりといったことを毎日しているわけです。そこを忘れたらいけないな、という思いがあります。
「顧客視点」は、顧客の視点に立って考えるという意味だと思いますが、実際、相手の立場に立つというのは、マーケティングに限らず、誰にとっても、どんな時でもあらゆる場面で大切ですよね。あえて言うなら「相手の立場で考えよう」というのが、私の思う「顧客視点」であり、それは「思いやり」と言い替えることもできるかもしれません。道徳の授業みたいですが(笑)。
藤崎:なるほど「顧客視点って何だかちょっと…」という「感覚」でしょうか。
堀:そうです。使ってはいけない言葉ということではなく、その言葉に対して抱く「感覚」って大切ですよね。
藤崎:堀さんの、その誠実さが今回の施策の底辺に流れていると確信を持ちました。「相手の立場で考える」「思いやりの気持ちで考える」というのは、マーケティングの本質かもしれませんね。ありがとうございました。
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