購買検討者にとって有益なコンテンツを目指した
藤崎:現在、「PRO TREK Smartサイト上にある「ユーザーボイス」のコーナーに、アウトドアアンバサダーによる「PRO TREK Smart WSD-F20」のさまざまなレビューがまとめられています。もちろん全てが体験レポートなので、記事のひとつひとつにリアリティと説得力があります。こうした記事は、広告ではつくれない価値のあるコンテンツだと思います。
堀:このコンテンツの価値や効果の数値化は今後の課題ですが、購買を検討しているユーザーにとって有益であることは確かです。この記事を読んで買った人もきっといらっしゃると思います。
藤崎:実は先日、あるPR会社でこの事例を紹介した際、大変驚かれました。このようなユーザーの体験レビューが多数集まっているのは本当にすごいと。その人は登山が趣味ということもあり、こうした本物の記事をつくる難しさを知っているそうです。製品PRとしての説得力がすごいと言っていました。
堀:アンバサダーの方々が、製品に対する感想を「ホンネ」で書いているのも大きな特徴です。製品の体験レビューにあたっては、レギュレーションは一切設けていません。みなさんには本当に自由に書いていただいたので、記事には「こういう事ができたらいいのに」とか、「ここはちょっと残念だ」という内容も普通に出てきます。こうしたレビューを書いてくださるのは、本当にありがたいことだと思っています。
藤崎:企業からの製品紹介だけではなく、ユーザーの立場からの第三者視点が製品レビューに加わることは、購入を検討している他の人にとって大変有意義なことですよね。
堀:基本的には、みなさん製品の良い部分に目を向けて書いてくださっています。でも、良いことばかり書かれても、今の時代、読む人はどこか疑いの目で見てしまいます。ユーザーの実感に基づくレビューである以上、製品のマイナス面も、その人が感じたのであれば、どんどん率直に書いていただきたいのです。その意味では企業からのメッセージだけでない、製品に対する第三者視点のレビューは大変重要だと思っています。その人の「ホンネ」が説得力になるのです。
マイナス面の指摘に関しては、そうした視点もあって当たり前だと思っています。つまり、誰にとっても完璧な製品というものは、残念ながらなかなか実現できないということです。製品というものはある意味、常に未完成であり、だからこそメーカーとしては開発を続けるのです。
藤崎:アンバサダーを信頼して体験したこと、思ったことを自由に書いてもらう。良い面ばかりでなく、悪い面に関しての意見も企業として真摯に受け止める。企業がそうした姿勢でレビューを公開することは、そのレビューの信頼感につながりますし、何より企業そのものの信頼感や誠実さを高めることになると思います。
堀:ただ、こうした定性的な評価はなかなか数値では表現できないのが悩ましいです。
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