「マニュアル」を捨て「レシピ」を持とう 「発酵文化人類学」×「予定通り進まないプロジェクトの進め方」第3弾

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「発酵×プロジェクト」異色のコラムの最終回。
前回の記事「今の時代に求められているのは「ものさし自体のクリエイション」である」では、「ぬか床型プロジェクト」「プロジェクトメンバー=微生物」など、プロジェクトと発酵の意外な共通点が見つかりました。最終回となる今回は、プロジェクトで新しい価値の芽を出すための方法を、発酵文化から学びました。

前田考歩(プロジェクトエディター)×小倉ヒラク(発酵デザイナー)

コントローラブルな状況の中では価値の芽は生まれない

小倉:前回の記事で、ポップコーン型とぬか床型のプロジェクトという話をしたんですけど、ある程度の規模の会社だったら二つのチームを持っておいた方がいいと思うんですよね。
ぬか床型チームがトライアンドエラーをやって、「これ育てられそうだね」というプロジェクトの芽が出てきたら、今度はポップコーン型チームがそれを育てる、みたいに引き継いでいく。そうやって、一つの目標に対して、価値の芽を作り出すチームと、価値の芽を木に育てるチームを作るというのもあるんじゃないかなと。

前田:0から1を生むプロジェクトと、1から10に育てるプロジェクトでは、マネジメントの方法論も予算もスケジュール感も全く違うんですよね。人によっては0→1は得意だけど1→10は全然、みたいな人もいて。二つのチームがあれば、各々が得意な業務に集中することができそうです。

小倉:0→1のプロセスでは、いかに活着〔編集部注:さし木・つぎ木・移植などした植物が、根づいて成長すること〕させるかが大事。みんな植物が大きくなる時、土の上しか見てないんですけど、それだとだめなんです。土の下を見て、その土によく馴染んでいるか、ちゃんと根っこを伸ばせているか、ということに注意しなければいけない。でも、それは人間にはコントロールできないんです。要素が複雑すぎて。
そもそもコントローラブルな状況の中では価値の芽は生まれない、と考えたほうがいいですね。アンコントローラブルなプロジェクトを進めなければ、価値の芽は生まれないという前提をまず持つ。そこに、いきなり10の成果を求めるような高望みをしないということですね。

次ページ 「一度腐ったプロジェクトは、もう捨てるしかない」へ続く


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