コラム

アスリートとつくる、熱量の高いファンのコミュニティ

レッドブル社員がメディアで語らない、語らなくていいのは理由がある

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レッドブルの社員がメディアで語ろうとしない理由

レッドブルでは社員がメディアに語ることはほとんどなかった。だから自分も最近までインタビューを受けたり、外で何かを語ることはなかった。ある種、存在をわざと隠してきたのか、或いはそれをミステリアスと呼ぶのかというくらいブランド担当者は自社ブランドをメディアでは語らない。

それにはレッドブルらしい理由があった。社員が自社製品を自らアピールすることよりも、第三者が語ることで信憑性やメッセージの信頼度が増すと信じているからである。自分も広報のバックグラウンドがあるので、正直最初はびっくりしてのだが、実際これはすごく良くできている戦略だと思っている。

考えてみると、アスリートは自分の競技については語れると思うが、サポートするブランドについてどれだけ語れるだろうか? 正直、彼らがある程度語れるようになるために、きちんと製品の効能を理解するのみならず、ブランド体験を自分の競技とそれ以外にもしてもらう努力をしなくてはならない。

そのため、全くジャンルの異なるスポーツやカルチャーイベントにもアスリートができるだけ参加できる機会を作り、他のアスリートと交流することでファミリー意識を作り出すことを促した。時には社員も一緒に彼らのツアーに出かけ、語り合い、それから一緒にイベントを作るということにも発展したりもした。社員向けイベントへの参加も時間が許す限り来てもらった。アスリートの一番のファンは社員かもしれないし、それが彼らに伝わることで、発信するメッセージの重みも出てくる。

彼らが発する言葉を見守る、つまり信じるしかないのだが、時にはブランドや方向性について議論し、それが互いの成長になっていた。これが全てのブランドやアスリートに当てはまるとは思わないしもっと効率的な手法もたくさんあると思う。だが、ブランド作りにおいては、この手法は対アスリートに限らず、全てのステークホルダーを当てはめて見た際に、学ぶべきことは多いと思っている。よくよく考えてみれば、今や当たり前になっているインフルエンサーマーケティングの走りとなることをやってきたのだと思う。

私も先日イベントで登壇する機会があったので、敢えてレッドブルのオピニオンリーダーになってみようと、レッドブルを飲みながらトークをしてみた。実際に喉も渇くので普通にごくごく飲んでいたところ、たまたま会場に来ていた元同僚から、「早速レッドブルをコンビニで買いに行き、午後の活動に向けて気合いを入れた」と言われたのはとても嬉しかった。

次ページ 「アスリートがブランド大使になれるかを考える」へ続く

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