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「気づいてもらう」ために、議論をまき起こす 【芸人・五明拓弥 × マーケター・井上大輔 対談】後編

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“フツフツ”させるには、良いコンテンツとメディアの両輪が必要

五明:議論を起こしてフツフツさせるのは、かなり難しいですよね。僕がやっている千葉のFM局の深夜番組で“おなら”の企画をやっているんです。僕が放送中のどのタイミングでおならをするか、リスナーに予想してもらって、当選者にはステッカーをプレゼントしています。

なぜ“おなら”かというと、FMはAMに比べるとお洒落なイメージがありますよね。自分の番組は全然お洒落じゃないので、そういうFMのイメージを“おなら”で破壊して物議を醸しだそうとしたんですけど、全然フツフツしなくて。今はもう普通におならをして、「はい、今回は4時23分でした。○○さん、おめでとうございます!」みたいな(笑)。

井上:気づいてもらう前だと、フツフツさせるのは難しいですよね。

五明:そうか、まずは気づいてもらう、リスナーを増やすということか。

井上:そこの難易度が高いんです。テレビがマスメディアとしてワークしているのがそこです。テレビの強みは、いろいろな人が同じ番組を見ているという「共時性」があることです。大勢の人が同じ時に同じ話題を共有しているので議論も起きやすい。だからみんなで誰かを叩いたり、逆に擁護したりして盛り上がっているでしょう。ナイキのキャパニックの事例もそうで、みんなで議論しているという共時性があるからフツフツしたんだと思います。

五明:うーん、そうか。ラジオでおならでは厳しいわけだ(笑)。

井上:フツフツするには、ネタとなる面白いコンテンツがあることが大前提ですけど、それを運ぶメディアがないといけないわけです。面白いコンテンツさえ考えれば自然と広まるということは、残念ながらほとんど起こりえません。コンテンツとメディアの両輪がなければいけない。ナイキのキャパニックの事例も、メディアにたくさん広告を入れたから気づいてもらえたんじゃないでしょうか。

“おなら”の企画も、何かしらの方法でブーストすればフツフツするかもしれません。そういう道筋を最初から設計するのが、まさに僕らマーケターです。「マーケター」という言葉を聞いたことがある人はけっこういますが、具体的に何をやっているのか知っている人はあまりいないですよね。

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