コラム

嶋野・尾上の『これからの知られ方(仮)』

第1回 広告は個人のものだった。

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これから新たに商売やビジネスを(主にネットで)始める方に向けた「知られ方」についての連載です。知られるための第一歩として、とても大事なのが、自分のセールスポイントの中から「何を強みとして選ぶか」。このコラムでは、広告業界でさまざまな成功事例をつくってきた広告クリエイターの2人が、個人の商売・ビジネスでの「強みの選び方」と「その知られ方」について、役立つ情報を発信していきます。
この連載は、著者両氏による音声配信をしています。パソコンの方は▶(右三角)ボタンをクリック、スマートフォンの方は「Listen in browser」をタップすると再生されます。
 
ご感想などはこちらから:『嶋野・尾上の「これからの知られ方」』へのお便り

 

広告は、企業発から「個人発」へ

嶋野:こんにちは、広告のクリエーティブディレクターの嶋野裕介と、

尾上:プランナーの尾上永晃と申します。

嶋野:今度、我々ふたりで「これからの知られ方」というテーマで、個人もしくは小規模で商売やビジネスをされている方に向けた連載を持つことになりました。特に、最近はオンラインやSNSで、商品販売やサービスの提供を始めた方がたくさんいらっしゃると思うんですが、そういった方々に向けて、少しでもお役に立てる話ができればと思っています。連載は、『AdverTimes.』で発信する予定です。

今回は、「これからの知られ方」の連載を始めるにあたってのティザーとして、第一弾はわたし嶋野から、「広告は個人のものだった」というテーマで、広告の歴史を紀元前からさかのぼって楽しくお話ししたいと思っています。

ちなみに第二弾で、尾上さんはどんなことを話す予定なんですか。

尾上:第二弾は、(今回、)嶋野さんが過去の話をされるんで、いまこういうものがあって素晴らしいですよね、という話ができればと思っています。

嶋野:なんでそもそも、こういう話になったか、どういうふうに考えていたか、といいますと、私も尾上も広告という仕事を長くやっているうちに身につけた、「伝える」「広げる」「知られる技術」をもっと世の中に還元していきたい」という思いがありました。

尾上:僕としても、日ごろ、街中で閉店しちゃった店を見るにつけて、もっと自分に何かできることがあったんじゃないのかと感じることも多く…。もしかしたら僕らがやってきている仕事の技術が、うまく共有できるんじゃないか、と思ったりしていました。

じゃあ、どういう店がうまくやっているのかを見ると、自分たちのことをよく知っているというか、自分らの武器がこれでここが知られるといい、といったことを自ら把握して打ち出すことが大事だと気づきました。それにこれから、嶋野さんがおっしゃったように個人商店の方だったり、自分の商品を売り出していくというニーズは増えてくるはずで、そこでは僕らが培ったブランディングというか、自分を知ったり、自分の武器を知って、それをどう広めていくか、という力が生きるんじゃないかな、と思っています。

嶋野:ということで、今回はわたしのパートからお話しさせていただきます。改めまして、広告のクリエーティブディレクター・PRディレクターを務めている嶋野裕介です。大阪生まれで、18年間大阪にいたんですが、実は関西弁が一切話せなくなってしまいまして、やっぱり使わないとどんどん人は忘れてしまうんだな、というのを悲しく思っています。少し前置きが長くなりましたが、ここから本題にいきます。

冒頭にもお伝えしましたが、今回の連載テーマは『これからの知られ方』で、主に個人で商売やビジネス、お店とかをやられている方に向けて何か参考になるものをお伝えしたいと思っています。

なぜ私たちがいまさらこのテーマで話すことを決めたかと言いますと、それは、SNSが発達してみんながそれぞれ直接自分の商売やビジネスのアピールを自由にしているいまの時代って、は実は広告が生まれた当時と似ている状況だなと思ったんですよ、尾上さん。

尾上:はい、そうですね。

嶋野:(笑)

尾上:具体的にはどういうことなんですか。

嶋野:たとえば、15世紀ぐらいのヨーロッパって、街中がビラであふれていたそうなんです。お店とか色々な告知のビラであふれていて、ビラの上にビラが重なって、街中がビラだらけになって、しまいには教会とかにもどんどん貼られちゃって、何が起きたかと言うと、逆に何を見たらいいかわからないような時代になっちゃったというのがあります。

それらは当然、大企業なんてものは存在していなかったので、個人一人ひとりが自分のアイデアを振り絞って、なんとかして人を振り向かせるための、ある意味アイデアとなる広告を発信していたんですね。つまり、その当時は、「広告が完全に個人のもの」でしたし、そのときと同じ空気がいまの時代、始まるんじゃないかなというのを感じています。だからこそ、われわれの広告の技術というのは、そういう時代も踏まえて蓄積されてきた経緯があると思うんですが、その技術が、商売やビジネスをはじめる個人のためにお役に立てるんじゃないかと思っています。

そういう意味で、今日のキーワード、大きいキーワードとしては「広告をもう一度、個人のものにしていく」ということだと思います。

さきほども申し上げましたが、いま個人でビジネス、商売をすることが、どんどん簡単になっていて、ネットショップをすぐ立ち上げられて、配達サービスみたいなものに挑戦できるとか、もちろん、それ以前から多くの人が個人事業主的にお仕事されてきたわけなんですけれども、そのハードルがますます下がっている、と思います。

そんな中、個人で中小規模のビジネスをされているみなさんが抱える悩み、なにかと考えたときに、一番は『知られる』こと、ではないでしょうか。

そこで、なんとか知られるために『バズる文章』みたいなことを調べてみて使ってみても、上滑りしてしまったりとか、本屋さんでコピーライティングの本を読んでも、なんだか、大企業に向けたものにちょっと思えてしまって、表現とか企画とかデザインとか、センスがないとできない特別なものだと思われてるんじゃないかな、と私たちは感じました。

たしかに実際に、世の中で注目される広告の多くは、大手企業のものがほとんどで、広告のビジネスの仕方も、大手企業のためにチューニングされている、というのは正直否定はしきれないと思っています。でも、だからこそ、SNSが発達したこのタイミングで、広告の技術を幅広くみなさんに知ってもらうことで、もう一度広告を個人一人ひとりの手に取り戻せるんじゃないかな、というふうに思っています。

次ページ 「キャッチやサンドイッチマンの先祖はバビロンに居た」へ続く

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