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コラム

嶋野・尾上の『これからの知られ方(仮)』

第2回 世界初のクラフトコーラ専門メーカー「伊良コーラ」(前編)

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過去の個人的なストーリーが今のワクワクに影響している

小林隆英:でもさっきの、人に求められるかっていうのは、顕在意識では意識したことがないです。潜在意識のチェックリストの中に入っているだけで。
 
嶋野:なんでそれが潜在にあったんですかね。おもしろいですね。
 
小林隆英:ある種なぜ生まれたかというと、自分が小さいころから何をやってもうまくいかなかったというか。何をやっても、いろんなインプットはめちゃくちゃ受けてるのに、誰よりインプットしてるのに、全然もう、努力してもできないっていう期間がめっちゃ長くて。でもやっと仕事をする場で、自分の価値をアウトプットする場を見つけて、さらにコーラっていうものを見つけた。そこの原体験があるので、世の中にいい影響を与えたい、アウトプットしたいっていう思いは人一倍強いかなって思います。

 

尾上:といった感じで、小林さんもいろいろ悩まれていたと。そもそもワクワクするかどうかっていう、価値基準をつくっているかどうかが、その人のストーリーであったりするので、過去を振り返ってみると、「こういうことがあったから、自分はこういうものにワクワクするんだ」と、なんとなく話を聞いていて思いましたね。

嶋野:そうですね。過去の潜在的ななにかが今に影響しているというのが、これからの自分ブランドの作り方にもつながっていくところだと思うんですが。尾上さんは、今の仕事や生き方に、過去が影響していると思うことはありますか?

尾上:えー、そうですねえ。うーん……小さいとき僕、転校ばかりしてたんですよ。(親が)転勤族で。転校すると、すでにあるコミュニティに入っていって、短時間で自分がどういう人間かを浸透させて仲間にならないと、ずっと距離感が生まれちゃうんですよね。そこで凝縮して自分の魅力をどうわかってもらうか。それって広告じゃないですか。そんなことをくりかえしていたのが、いまにつながっている気はしますね。

嶋野:なるほど、やっぱりつながるんですね。

尾上:そんな気がします。小林さん自身も、Webサイトに掲載されているストーリーがおもしろいんですけど、和漢方職人のおじいさんの下で育ったんで、小さいころから漢方を飲んでいて、自然と親和性というか愛着があった。大人になってコーラをつくり始めるようになったときに、おじいさんの漢方につながるというのが、ストーリーとして強いなと思うんですよね。なにかを始めるときに振り返って、「あのときの、あれがここにつながるんだ」ということがあるかもしれなくて。ブランドってそういうことがつながると強いじゃないですか。大きな企業のブランディングでも実はそこが大事だったりすると思いますし、小さいブランドでも、これから始める人でも、大事じゃないかと思いますね。——はい、といった感じで、前編はここまでですね。

嶋野:おもしろかったですね。

尾上:二回に分けざるを得ないくらい、時間がかかってしまいました。前編は「伊良コーラ」という、世界初のクラフトコーラがどういったストーリーで生まれ、戦略というか、好きなもの、得意なもの、求められているもののど真ん中を行くことで、愛されるようになっていったのか、について紹介しました。後編では、ブランディングにあたって何を考えているのか、とか、どんな感じで知られるようになっていったのか。そういった話ができればと思っております。

嶋野:楽しみです。では、きょうはここまでなんですが、前回、サウンドロゴを募集したんですが、1件も来なかったと。どうしたらいいですか、尾上さん。

尾上:ま、つくるしかないですね。僕らも、まずは。

嶋野:お便りも1通も来なかったみたいですね。

尾上:そうですね。個人個人ではいろいろと伺ったんですが。全然あの、むしろここでこう、読まさせていただいたり。

嶋野:読みたい!

尾上:そういうことやってみたいなと思いますんで。

嶋野:やってみたいね。

尾上:ぜひチョロっと書いて送っていただけるとうれしいなと。

嶋野:広告業界には3000万人の尾上ファンがいるという話もあって。

尾上:それはいないですね。いないですいないです。ふつうに送っていただけるとうれしいです。

嶋野:では、きょうはここまでです。また次回よろしくお願いします。

尾上:お願いします。

後編も乞うご期待

(写真=尾上永晃)