勝ちたいのに、メンバーが勝ちたくないと言う
チームも結局は人と人の組み合わせ。相性がありますし、遠慮や委縮、尊敬や好き嫌いなど、様々な感情が渦巻いています。プロとしてやるからには、誰と組もうが同じように力を発揮すべきだと頭で思ってはいても、そう単純ではありませんね。何かを生み出そうとするクリエイティブな作業は、後ろ向きな気持ちでモヤモヤしていると前に進めなくなってしまうものです。
以前、後輩からこんな相談を受けたことがあります。「チームで組んでいるスタッフが好きになれない。もう一緒にやりたくない。今やっているコンペも勝ちたくない」と。これはもう、負ける法則を通り越して、試合放棄状態ですね。
もっと婉曲的に言う場合など、表現方法は人によって違いますが、このような話は実は珍しいことではありません。
これを防ぐ手立て、あるいは修復する手立ては、正直なところ私には分かりません。これもまたスポーツに例えてしまいますが、サッカーの指導経験のある方から聞いた話をします。
試合に出たかったら、人から好かれる人間性を持たなければいけない、と。監督から嫌われるようなことになると試合に呼ばれなくなる。周りの選手から嫌われたら、パスが回ってこなくなる。もちろん周囲に媚を売りさえすれば試合に出られるというわけではない。サッカーが上手いからといって、人として成長できていなければ長くは続かない、と。
きちんと力を備えた上で、自分や周囲の役割を互いに認め合い、パスを交換しながらひとつのゴールを目指すこと。自分の意見を主張しながら人の話もちゃんと聞く。人の気持ちを理解する。周囲とのコミュニケーションがちゃんと取れる。そして人として信頼される。我々の仕事においても、このようなことが求められるのだろうと思います。
「チームメンバーが好きになれないから一緒にはできない」と訴える人は、決して得することはなく、損をするでしょう。もしかしたら、もう次のパスが回ってこないかもしれません。嫌われたほうも、得をすることはないでしょう。
勝つために様々な組み合わせを模索し、時には強力な助っ人を呼び、最強のチームをつくりたいと考えるわけですが、チームは「勝つこと」だけを目的にしてはいけないのかもしれません。本当に必要なのは、チームとして「成長すること」。これを目的にするべきなのではないでしょうか。
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