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アクセンチュア インタラクティブが描く 真のデータドリブンメディア戦略とは

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アクセンチュア インタラクティブが顧客のマーケティング支援体制をグローバル規模で強化している。本連載では、そのなかでマーケティング戦略立案やコミュニケーションデザイン、メディア等を担う「Communicate Experience」チームにフォーカスを当て、マネジメント層から現場リーダーなどのインタビューを通じて、アクセンチュア インタラクティブの今を紹介する。第5回は、メディアプランニングとデータ分析を担う沢目宗明氏と、前田修治氏へのインタビューだ。
 

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左)沢目宗明 プリンシパル・ディレクター
右)前田修治 シニア・マネジャー

—沢目さんは、メディアプランニングやバイイングに携わっているとのことですが、他社との違いは何ですか

沢目宗明:クライアントの事業戦略に準じ、売り上げや市場シェア拡大のためにメディアプランニングしている点です。極端な話、有効であれば、マス広告を使わない提案もします。

—なぜ、それが可能なのでしょうか

沢目:広告会社とビジネスモデルが異なるためです。一般に広告会社は、媒体費の高額なテレビCMを扱えば扱うほど、利益も増える仕組み。それが強みでもあり、足かせでもあります。自然とテレビCMを売るほうが評価されやすいので、どうしてもメディアプランが偏ってしまうのです。

一方、アクセンチュア インタラクティブはフィー制ですから特定のメディアにこだわる必要がなく、メディア選定の自由度が高い。同じような名称の業務でも、ビジネスモデルが異なるので、実務に大きな違いが出てくるのです。

沢目宗明 プリンシパル・ディレクター
外資系広告会社のメディア部門で、25年以上に渡り、メディアプランニング、リサーチ、広告の費用対効果コンサルティングを経験。2016年よりアクセンチュアに参画し、インタラクティブ本部でメディア・マネジメントおよびマーケティングROI分析をリード。グローバルクライアントはもちろん、日本の大手クライアントの日本国内における広告プロモーションのメディアプランニングから効果測定・改善アドバイスを数多く経験。30年に渡ってマス・デジタルのメディアプランニングから効果測定まで一貫したサービスを提供。

—前田さんは、データ分析が主だとか。こちらも昨今、頻繁に見聞きするようになりましたが、アクセンチュア インタラクティブでの独自性は何ですか

前田修治:アクセンチュア全体の経営資源を生かしつつ、アクセンチュア インタラクティブ「Communicate Experience」チームが担っているマーケティング戦略立案から実行までのすべてのフェーズに関われる点です。

前職のコンサルティング会社でもデータ分析に携わっていたのですが、アクセンチュア インタラクティブがマーケティング領域に強い、というのは非常に実感します。アクセンチュア全体でみると、分析に特化した別組織もあり、困難に直面しても協業できる点が強みですね。

広告会社におけるデータ分析との違いについても、先ほど沢目が話していた点が当てはまるのではないでしょうか。

沢目:そうですね。総合広告会社も当然、データ分析は重視していますし、現場ではなおのこと、その重要性を痛感していると思います。ただ、やはり構造的な問題がある。データ分析は、メディアコミッションに付随するものとして捉えられがちなのです。クライアントに貢献したいという現場の思いと、組織的な収益構造にジレンマがある点は否めないのではないでしょうか。

他方、専業のデジタル系の企業は、よくも悪くも専門分野にとどまってしまいがちです。個々のソリューションは優れていると思います。ただ、クライアントの立場からすると、個別最適を図るのが目的ではありません。

家造りに例えると、最終的には、そこで理想的な生活を送るのが目的です。家を建てることすら、ある意味では手段。そこで、「屋根です」「壁材です」「キッチンです」と、バラバラに提案を受け、個別に評価したり使ったりしているのでは目的まで遠回りになってしまいます。建ててみて想定と異なったり、ライフステージが変わったりすれば、改装も必要になるわけですから、そう考えると、優れた素材を揃えるのはスタートラインよりも前の話なのです。

—事業戦略に準じたメディアプランニングやデータ分析というのは、どんなことを行うのですか

沢目:重要目標達成指標(KGI)に従って、広告をするのがよいのか、あるいはCRMを強化するほうがよいのか。前田のチームなどと協力して、顧客のタッチポイント全体を見渡して、目標達成に向けて効果的な予算配分をしていくという業務になります。

本来的な意味でマーケティングROIを高めるなかでも、特にメディアを管掌している、ということです。なので、個別の案件での広告運用における獲得コストを改善したい、といったようなリクエストは少ないです。

前田修治 シニア・マネジャー
理系大学院を修了後、SIer、コンサルティング会社で顧客行動分析を多数経験し、2017年からアクセンチュアに参画。データ・アナリティクス、データ活用を中心に、デジタル・マーケティング領域における職務に従事。分析に必要なデータの収集やプラットフォーム構築から分析・可視化まで幅広くサポート。「生涯現役」をモットーに、プレイングマネージャーとして日々データと正面から向き合い、現場感を大切にしながらチームやプロジェクトを運営している。2020年より現職。

前田:データ分析でも、本当の課題は何か、という段階から落とし込んでいきます。まず全体を俯瞰した上で、それぞれの最適化を図るので、扱うデータ自体が極めて大量ですし、多様。構造化されていないデータも多く扱います。

KGIを左右する要素、重要業績評価指標(KPI)は、本当は一体どれなのか、さらにKPIを伸ばせる要因は一体どこにあるのか、という点から始まり、必要なデータを抽出する。必要があれば新たに入手、加工して、予測モデルの精度を高めていく仕事になります。

沢目:多少抽象的に思われるかもしれませんが、ご相談いただく方が、役員級、CXOクラスが多いため、こうした話になりやすいんです。宣伝部門やマーケティング部門、あるいはカスタマーコミュニケーションや営業、販売部門を横断して、「当社はうまくデータ活用できているだろうか」という、これから輪郭が定まっていくようなご相談も少なくありません。

特にデータは部門間でタコツボ化しやすく、壁を越えて連携しづらいケースも多い。バラバラ集めてきてしまったがために、つなぎ合わせづらかったり、全体を俯瞰してみれば、抜け漏れがあったりすることが散見されます。

前田:それは、一度システム的にデータの取り方、加工の仕方を決めてしまうと、非常に硬直的になってしまうからですね。変更しようと思うと取り直しになりますし、費用もかかります。

一口にマーケティング戦略立案に必要なデータと言ってもさまざまです。そのデータを用いると何ができるのか、なぜ必要なのか。どのような顧客インサイトがつかめて、ビジネス達成に必要なアクションにいかにして落とし込むか。ある程度自由度を残しながら、事前設計するというのも我々の業務になります。

沢目:全体設計については、アクセンチュアのシステム・アーキテクチャをサポートするチームが担っているのですが、やはり大きいのは、最終的にマーケティングにどのように資するか、それをどう実行するか、までに手を下せる点なのだと思います。システム統合だ、データ分析だ、という声は日々大きくなっていますが、経営層からすれば、そこまで投資して利益増に本当につながるのか、が焦点です。

いわゆる「Cookieレス問題」も一例ですが、データ活用にまつわる情勢は今後も変動していくと思われます。不測の変化に対応しながら、いかにして業績を伸ばすかという課題には、アーキテクチャの構築だけではなく、それをマーケティング領域で生かす人材が欠かせません。そういう意味でもアクセンチュア インタラクティブだけが対応できる分野なのではないかと思います。

前田:それはまさに前職からの違いを最も感じる点ですね。以前はデータ分析に“閉じた世界”でした。単発で案件はあるものの偏っていて、「データを分析して終わり」。長く貢献していける案件がそこまで多くありませんでした。

アクセンチュアへ入社して初めて携わった案件のテーマがマーケティング戦略立案だったのですが、マーケティングにおいて、どのようにデータが活用されるか、活用していけるか、を肌身で感じられましたね。

沢目:私もこの歳になって、入社して大きく成長できたのではないかと思います。広告会社に在籍していたときも、データドリブンやらパーソナライズやらは叫ばれていましたし、メディアでビジネスにコミットするのだ、という命題はありました。

しかし、実際にアクセンチュア インタラクティブへ移ってみて、CXOクラスへ貢献するためのシステム構築力やシステムエンジニアの対応力、実務能力は破格の違いを感じました。その上でマーケティングに携われると、こうも違うのかと目が開かれましたね。

—お二人の部署では、どのような人材が活躍できますか

沢目:まずは専門性の高さです。そして、その上で専門領域を広げていきたいと考えている方が向いていると思います。

メディア領域で提案する上では専門性で他社の後塵を拝すわけにはいきません。まずはひとつ、この業界の中では、自分が最も詳しいのだ、誰にも負けないのだ、というものがあるほうがよいです。

しかし、そこに閉じこもっていると単能工になってしまいますから、プロフェッショナル分野を持ちつつも、ジェネラリストのように領域を広げていく必要があります。実際、中長期的にはアクセンチュア インタラクティブでエンドツーエンド、すべての領域を賄えるようになる、という方針があります。

前田:活躍できる人物像と重複するので、むしろ自分でも心がけていることをお話しすると、やはり技術の最前線は追い続ける必要があります。既存のツールでカバーできないこともありますし、データベースやプログラミングの知識は常にアップデートが必要です。機械学習のように新たな武器が登場することもあります。

いま、武器と言いましたが、データ分析はまさに武器以上でも以下でもありません。使い手がいないと、何も起きないのです。また、使い所を見極めることも重要ですし、クライアント社内での説得のサポートをすることもありますから、コミュニケーション力も必要となります。

何より、ただ言われたとおり分析するのではなく、常に、何に向けてどんなことがわかるとよいのかという意識が必要です。クライアント側で漠と思い描かれている理想を実現するには、「何を」「なぜ」行うのかを規定する必要があります。それを裏付けることと、運用中も進む方向にブレはないかという羅針盤のような役割も果たすことになります。


お問い合わせ
アクセンチュア株式会社 インタラクティブ本部

MAIL:JPN.EH.Interactive.Recruiting@accenture.com

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