コラム

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なぜ、シニアよりミレニアルが重視されるのか?-メディアと所得の年齢別「格差」

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日本のメディア費はどの年代に向けられているか

ボブ・ホフマンがニールセンの調査結果で示したような「マーケティング費用がどの年齢に向けられているか」という点においては、日本の広告費には年齢別の投資金額のデータがないので単純な比較はできません。しかしマスメディアのなかでも新聞、テレビが高年齢層の視聴が大きくなり、この広告費が減少し、インターネットの広告費用が拡大していることを考えると、米国と同様に全体の傾向としては若い年代へのマーケティング支出が増えているとは言えそうです。

博報堂DYメディアパートナーズ メディア環境研究所のメディア定点調査の2021年の数字を見てみると、メディア接触時間は年齢ごとにかなり大きく分かれてきています。総じて20代以下のメディア接触の7割はデジタル、そのなかでも若年層の10-20代のスマートフォン接触時間は全年代最長の190分から220分超えています。逆に50代ではデジタルは約半分、代わりにテレビの接触時間が多く、その上の60代では今度はテレビの接触の割合が半数を占め、接触時間が全年代最長の190分から250分を超えます。

この年代別の総接触時間をひとつの基準としたうえで、電通が発表している日本の広告費(2020年)を見てみましょう。全年代平均のメディア接触時間(2020年)の最大のシェア35%を占めるテレビは144.2分ですが、広告費では減少傾向で26.9%になります。逆にインターネットはメディア接触時間が増加傾向にあり、全年代平均では29.4%の121.2分、これは接触時間ではテレビより割合は低いのですが、広告費ではテレビを上回って増加傾向の36.2%になっています。

この総接触時間を無理やり年代別に振り分けて、媒体広告費を割り当てるとどうなるかというと、ボブ・ホフマンの言う5-10%とはほど遠いですが、40代以下が6割以上に対して、50歳以上は半分以下の4割程度になります。確かにまだ総メディア接触時間ではまだ全体では最大ではなく、若干低いインターネットですが、メディアや広告主にとってはすでに主流の媒体であることは間違いありません。したがって日本においても広告費はシニア層ではなく、50歳未満の若年層を向けられていると言えそうです。

次ページ 「メディアや広告が実質的な消費ではなく、若年層を向いているのは何故か」へ続く

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