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なぜ、シニアよりミレニアルが重視されるのか?-メディアと所得の年齢別「格差」

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日本でもシニア世代の消費支出は高いのか

このような傾向は、高齢化が進む日本社会にも当てはまりそうです。ではボブ・ホフマンが指摘する、消費金額の大きさではシニア層のほうが高いという仮説は、日本において当てはまるのかどうかを見てみましょう。

日本の総務省が発表している家計調査(2017年)をみる限りは、月の平均の消費支出金額は世帯主が50-59歳の世帯で343,844円と最も高く、2番目は40-49歳の世帯で315,189円、それに続く3番目は60-69歳の世帯で290,084円となっています。この60-69歳世帯は全年代のなかで支出の伸び率が最も高くプラス4%、全体の平均がマイナス0.3%とも比較しても突出して高い傾向です。また、肝心の40歳未満の世帯の支出は、256,160円と平均よりも約2.7万円低く、しかも全世代の中で支出金額の減少がもっとも大きくマイナス2.6%となっています。

これは2017年の世帯主の世代ごとの消費支出の月の平均金額ですが、これを2021年の年齢別人口の数に無理やり掛け合わせると、日本も米国と同様、消費支出の半分が50歳以上で占めていると推定できそうです。対象を20歳以上の人口のみに絞ると、ちょうど40歳未満と50歳以上が半々で、これを世帯年齢別の月の消費支出と掛け合わせると、50歳以上が半分をやや超えて6割弱を占める計算になるからです。

しかしながら、ホフマンが指摘する4番目のオンラインの消費支出についてはどうでしょうか。「令和3年版消費白書」の世帯年齢別のインターネット支出で見ると、オンラインの消費支出が最も高いのは30代の世帯で月の平均が24,718円(先ほどの世帯消費支出の1割程度)で、50代は3番目で2.2万円、60代以上になると30代より1万円ほど下がって1.5万円、70代以上になると1万円を大きく割って7583円です。

これもさきほどの人口比率と掛け合わせて考えると、オンラインの50歳以上の支出比率は4割強で、ホフマンが指摘した米国でいう2:1に比べるとかなり小さく、50代はまだしも60歳以上の人口ではオンラインチャネルでの消費はまだ日本では一般的ではないようです。

しかしオンライン支出の比率は40代が全年代のオンライン支出全体に占める割合が2割と最も高く、彼らが年を重ねていくと、今後50代がオンライン消費のリード年代となることも予想されます。また、基本支出金額が上昇する傾向にある60代以上の世帯でも、コロナ禍でECでの買い物体験も増えていると聞きますので、今後インターネットでの支出が拡大する可能性もありそうです。

次ページ 「日本のメディア費はどの年代に向けられているか」へ続く

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