「販促コンペマニア」が考察する販促コンペの戦い方

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いよいよ課題発表となった「第14回 販促会議 企画コンペティション」。13社の課題に対し、どのように取り組めばよいのだろうか。第12回で協賛企業賞、第13回でゴールドを受賞し、“販促コンペマニア” を自称する丸山優河氏が販促コンペの戦い方について解説する。
※本記事は、2022年4月30日発売の『販促会議』2022年6月号の転載記事です。

プラップジャパン
シニアアカウント
エグゼクティブ
丸山優河氏

2016年 プラップジャパンに新卒入社。インフラ、観光、ゲーム、玩具、戦略コンサルティングファーム、eコマースなどの多岐にわたる業界において、マーケティング・コーポレートPRに携わる。

実際に販促コンペに挑戦する際の戦い方の参考として、私が3年間販促コンペに挑戦してきた中で得た気付きや戦略を、課題の選び方と企画の発想法の二点に絞ってお伝えします。

課題の選び方

実際に課題が発表されたら、まずどの課題に取り組むかを選ぶところから勝負は始まります。これまでの経験から、「良いアイデアが浮かびやすい課題の法則」がある程度分かってきたので、優先度順に6つ、理由も含めてお伝えします。

1「習慣化」の課題
「商品の使用・購入を習慣にしてほしい」「長い間、商品を使ってもらいたい」という、ロングスパンで作用するアイデアを求められる課題は、一見ハードルが高そうですがかなりオススメです。毎年2~3課題しかないテーマですが、実際に数々のグランプリや受賞企画を生んでいます。

そもそもターゲットに長期間作用する企画は、生活者の日常に商品を深く浸透させることができるので非常に強力です。それはすなわち、クライテリアである“人を動かすパワー” の総量が大きいという評価につながるのだと思います。この手の課題では、与件がダイレクトに長期的な効果を求めているため、企画者は自然に、アイデアが強くなる方向だけを向いて企画を考えることができます。

2「楽しい」「好き」をつくる課題
販促コンペ(多くの場合実務でも)では、人を動かす、というクライテリアの中の重要な要素として、思わず商品やブランドを好きになってしまうエモーショナルな魅力も重視されます。「楽しい」「好き」といったポジティブな気持ちが強く湧いてしまうようなアイデアは、見ていて楽しいし、評価も高いですが、これは本来、商品を知ってもらう・買ってもらうという基本的な与件をクリアした先で、どこまで上乗せできるかの要素です。でも、この手の課題は親切なことに、気持ちを引き出すことをゴールに設定してくれているので、提出企画の魅力を自然と上げてくれます。

3「親子」をターゲットにできる課題
“親が子を思う心”は誰しも強固で、これを軸とするインサイトは非常に説得力があります。子育て、誕生日、クリスマス、受験、就活など、タッチポイントも様々でアイデアの幅も広がりやすいです。このため、親子に紐付けられそうな課題だと思ったら、積極的に着手するようにしています。

4「学生」をターゲットにできる課題
こちらも親子フックに近いですが、学生時代のライフイベントや学校生活を軸にしたインサイトは強固で、入り口も入学、卒業、部活、受験、友情、恋愛など多様です。学生に紐づく企画も、“思わず人が動いてしまう”施策を考えやすいと言えます。

5「低価格商材」の課題
商材が既に認知されており、親しみをもって受け入れられている場合、施策の自由度が上がりアイデアが浮かびやすくなります。また、サンプリングなど安価ゆえ取れる手法も豊富なので、手に取ってもらうハードルを低くでき、“人が動く”イメージが付きやすいです。

6他の人より自分の方が詳しいと思える課題
当然のことですが、課題となっている商材やサービスが好きだったり、よく知っていたりする場合は、それが強みになります。高頻度で買っている、何度も使ったことがあるなど、他の参加者より自分の方が“体験” していると思える課題は、スタートから既に優位なので、ぜひ取り組みたいです。

なぜ好きなのか、なぜずっと使っているのかを掘り下げることが、深みのあるターゲット分析になり、自然と芯の通ったアイデアが浮かびやすいです。親しみのある課題、好きな課題を考えることはモチベーションの維持にも繋がるので、その点でもオススメです。

企画の発想法

課題を選んだら、実際にアイデアを考えるフェーズです。でも最初の内は、切り口をいくつか生み出して形にしようとしても、なかなか企画まで育たない。そんな苦悩が常に付いて回ります。具体的には、以下の2パターンの悩みに大別されるのではないでしょうか。


●アイデアが先走ってしまう
やったら面白そうだけど、課題とどこかマッチしていない気がする。「その商材(企業)がやる意味」を見出しにくい。繋がりが弱い といった問題が感じられるパターン。例えば、第13回のミニストップの課題「多数の競合店を通り過ぎ、わざわざミニストップへ行きたくなるようなアイデア」で、「切手の裏面を、バニラやチョコなどアイスの味にして販売する」というアイデアを思い付いたとします。確かに、店頭に行って試してみたり、SNSに投稿してくれる人もいるかもしれませんが、「今このご時世に、切手を舐めること前提なんて……」「切手買う機会自体、全然なくない?」「そもそも、何でミニストップが切手売るの?」など、ツッコミどころ満載です。

アイデアが先行して、その商材(企業)でやる意味が薄いと、「うちに来てくれ」「うちの商品を買ってくれ」という自己主張感だけが鼻に付いてしまいますし、もし施策が話題になっても企業と結びつきません。なので、ダメな企画です。

●切り口やタッチポイントは浮かぶが、面白いアイデアにならない
説得力がありそうな入り口は見つかったが、そこからバッチりハマるアイテムや体験に繋がらず、面白い企画にならないといった問題が感じられるパターン。同じくミニストップの課題で、「暑い日にアイスが食べたくなる」という切り口が浮かんだので、「気温が高い日だけアイスを売り出す」というコンセプトまで決めた。でも、そこからアイデアジャンプが生まれず、結局「猛暑日限定の割引クーポンを発行する」のような、捻りのないキャンペーン施策に落ち着いてしまう、など。切手案よりはまだ形になっていますが、際立つものがなく、インパクトやチャーミングさに欠けています。

このような、「アイデアが課題から離れてしまう」あるいは「いまいちジャンプが生まれない」という両極端な壁に悩まされることは、企画をしているとよくあるのではないでしょうか。私もこの苦悩に常に突き当たり、試行錯誤を繰り返しています。そんな中で、この問題から少しでも抜け出せるよう、一つの“型” を決めて考えているので、以下に紹介します。

【企画の“型” 紹介】
私の場合、ほぼ全ての企画は、以下の“型”を使って考えています。

例として、実際にミニストップの課題を考えてみます。まず、①には課題を入れます。次に、①のミニストップに「行きたくなる」という動詞を、「思わず●●してしまう」の形に変換して②に入れます。ここで大事なのは、課題の商材(企業)を一度忘れることです。「思わず行ってしまう」のみ入れます。
 
③には、既に②を満たしている、人々が「思わず行ってしまう」場所や体験を考えて入れます。例えば、東京ディズニーランド(TDL)は、ファンもたくさんいて、多くの人が行ってしまう場所だなあ……と思ったので、試しに入れてみます。
 
最後に、①と③を掛け合わせて、切り口を出していきます。ミニストップが思わず入りたくなる場所になるような、TDLのワクワクするモノや体験にはどんなものがあるか。魅力的なキャストやキャラクター、アトラクション、パレード、待ち時間の行列、年間パスポート……。
 
あ、ミニストップの年間パスポート、「アイスの年パス」なんて、ちょっとキャッチーで良いんじゃない?そんな形で、可能性のありそうな掛け合わせが見つかったら、ブラッシュアップして企画書に起こす……といった具合です。

以上、これまで販促コンペに挑戦してきた中で感じた「販促コンペの戦い方」でした。少しでも皆さんのお役に立てますと幸いです。
 

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