【前回コラム】藤子不二雄Ⓐに影響を受けた子ども時代 創作につながる“原体験”が明らかに?!(ゲスト:TRICERATOPS 和田唱)【後編】
今回の登場人物紹介
「コピー年鑑」、読むか読まないか論争
澤本:はい、皆さんこんばんは。CMプランナーの澤本です。
権八:はい、こんばんは。CMプランナーの権八です。
中村:はい、こんばんは。Web野郎こと中村洋基です。皆さん、近況はいかがですか?
澤本:近況は「TCC賞」の審査でものすごい数のグラフィックとかCMとかWeb動画を見まくっていて。ちょっとマヒしてきましたね。
権八:見まくっていますか?
澤本:見まくってる、見まくってる。見ても見ても終わらない……。
権八:今、進捗何%ぐらいですか?
澤本:75%ぐらい。
権八:すごい……。僕、今25%ぐらいです(笑)。ヤバい。
一同:(笑)。
澤本:それね、相当大変。
権八:ええ~!ヤバいな~。
中村:リスナーの方にTCC賞が何かを説明していただきますと……?
権八:「東京コピーライターズクラブ」という、広告業界のコピーライターやCMプランナーの組織があって。そこが年に一回、今年の優秀作品を選ぶという試みがありまして。
中村:当然、テレビCMもそうだし、屋外看板とか駅とかのコピーもそうだし。
権八:そうです、そうです。
澤本:言葉を使ったものは、すべて対象。今年は二次審査に残っている本数がとっても多いんですよ。これで連休がほぼ潰れる……。
一同:(笑)。
澤本:でもね、あれだけあると、見たことなかったけど面白いものがいっぱいあるね。
権八:そうですね。
中村:この番組を聴いている人の中で、広告業界やクリエイティブを目指している人もたくさんいると思うんですが。お2人が若い頃、『コピー年鑑』みたいな分厚い本を写経したり、特訓されたりしたことはあったんですか?
澤本:僕は会社に入ってすぐの頃は“写経”させられた。全部じゃなくて、自分が好きなグラフィックを選ぶ。その頃はまだ、新聞広告がメインの時代だったから、好きなグラフィックを選んでキャッチコピーを書いて、ボディコピーを全部写せって言われたの。
中村:おお~!
澤本:どっちかというとキャッチコピーじゃなくて、ボディコピーを400字詰め原稿用紙に丁寧に写していけって言われて。最初はイヤだったんだけど、写している時にわかったことがあって。原稿用紙に書いていると、もちろん何行にもなるじゃない?そうすると、うまいコピーライターってボディコピーがうまいのよ、やっぱり。
権八:なるほど。
澤本:ボディコピーにリズムがあって、読みやすいんですよ。たとえば、ボディコピーは3行以上にならない、大体60字以内で一度句点がつく、とか。「あ、こういう風に書いているんだな」というのを頭じゃなくて手で覚えていって。こうしたらみんなが読んでくれるんだな、というのはそこで学んだな。
中村:へえ~。
澤本:TCCの審査をやっていて思ったのは、「最近、あの頃みたいに読んでいないな〜」ってこと。だから、ちょっと読まなきゃな、と思った。CMばっかりなんだよね、最近のコピーは。それだとなかなか書いて写しにくいから。権八くんは、どうでしょう?
権八:僕は真逆なんです。これが誰かの救いになるかはわからないけど……。僕は若い頃、なぜかコピー年鑑読んだら「負け」と思ってて(笑)。「写せ」とか言われてたけど、全くやらなくて。「いや広告以外のクリエイティブと戦わなきゃ」みたいな。すごい生意気な若者だったから、一切読まなかった。
中村:なるほど!
権八:影響を受けちゃうのも怖いしね。だから、年鑑ってほぼ読んだことなかったんですよ(笑)。
澤本:お。それもいいねえ~!
権八:ホントにそれ、言っていいのかわからないんですけど、昔は、よくトークショーとかでも若い子に「読んだら負けだ」とか言ってた(笑)。でも、僕、今になって思うのは、全然力がついてないな、と(笑)。
中村:あっはっはっは!
権八:読んどきゃよかった~!(笑)。
澤本:さすがに、もう大丈夫だろ(笑)。
権八:いや、どうですかねえ。でも、「違うところから吸収したいな」みたいなスタンスの若い子もいると思うので。いろんな勉強の仕方があると思うから、皆さんそれぞれのやり方で頑張ればいいのかな、と。
澤本:なるほど。『コピー年鑑』の宣伝をするわけじゃないんだけど、あれは広告をやっていない人が読んでもいいと思う。
中村:ああ~!
澤本:文章として面白いから。こういう文字のつづり方もあるんだな、という感覚で見ていけばいいと思いますね。
中村:去年の年鑑は結構売れたらしいですね。
澤本:一生懸命売ったからじゃない?
権八:(笑)。いろんな人が参加して、コラムを書いてくださって。錚々たるメンバーの人たちがね。
中村:気になる方は「TCC 東京コピーライターズクラブ」で検索してみるといいかもしれませんね。まったく回し者ではございませんが。はい、というわけで、お待たせいたしました!
権八:いや、お待たせし過ぎでしょう(笑)。
中村:お待たせし過ぎたかもしれません(笑)! 今夜もステキなゲストにお越しいただいております。映画『流浪の月』が5月13日に公開されました、映画監督の李相日さんです。よろしくお願いします、こんばんは~!
一同:拍手
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