AIとSEOの論点整理
世間には「AISEO」「LLMO」等、様々な新語があふれています。
いったんこの記事では、AIとSEOについての論点を、
①AIを活用した記事作成など、コンテンツをつくる文脈のSEO施策
②AIによって検索が代替される、または検索したときにAIOverViewが答えてしまう
という2つの論点を分けて考え、主に②のAIによる検索活動自体の減少、または検索した時の流入減少への対策という点を考えていきましょう。
②については、
②-1:AI OverViewによって、Google検索をした時の流入が減少する
②-2:そもそも、ChatGPTやPerplexity、Geminiによって回答を得てしまい、「検索行動自体が減少する」
という事象を分けて考えていきます。
クエリによっては最大3割の流入減も―AI OverViewの影響
3月14日に開始されたコアアップデートにおいて、おそらく各SEO担当がほぼ同じような印象を持っているであろう事象が、「AI OverViewの拡大」です。
私のクライアントでも少なからず影響があり、クエリによっては流入が10%~~30%程度減少しました。ただ、減少したのは主に「薄いKnowクエリ(~とは、~の理由、など)」であり、答えがほぼ決まっているクエリでした。一方で、そのような単純なクエリからはCVは発生していなかったので、現在のところ、AI OverViewによるCVへの悪影響は大きくありません。
AIで記事制作をしているとわかりますが、ハルシネーションはところどころ起こしつつも、現在のAIは正しい答えが決まっている事柄に関しては比較的正しく返してくれます。
一方で、複雑な悩み、例えば「SEOはAIで死ぬのか?」みたいな検索に対する答えは、AI OverViewでは出てきません。様々な考え方や説があり、答えがひとつではないからでしょう。
大事なのは、「AI OverViewによってすべての検索が最大80%程度減少したとしても、結果として自社のSEO経由のCVも同様に80%程度減ってしまうわけではない」ということです。
直近での各種メディアが発信する記事は少し煽りすぎのような印象を受けます。確かにクエリによっては、検索トラフィックが大きく減少していくでしょう。しかし、基本的にCVに直結しないところから減っていくと思われるので、薄めの記事を量産していたメディア業以外は、少なからず短期的に大きすぎるビジネスインパクトがあるわけではないと見ています。
※余談ですが、検索結果のローカライズの進行はCVを生むクエリにも容赦なく影響してきているので、事業者的には短期的にこちらの影響の方が深刻かと思っています。それらの対策はまた別途。