「AIでSEOは終わるのか?」―経営・現場レベルでリアルな対応方針を検討してみた!

AIチャットボット向けに特別にすべき対策はないのか?

これまでの話を総合すると、「AIチャットボット向けに、通常のSEO対策から離れて特別に行う対策はあまりなさそう」という結論になりますが、AI向けに特別にした方がよい対策も存在します。

ただ、それらはあくまで「通常のSEO対策に付加して対策するもの」である旨、頭にとどめておいた方が良いと思っています。
※要は、過度に特別な対策をする必要は現時点ではないかと思っています。

また、既存のSEO対策でも重要と言われていましたが、特にAIチャットボット向けの対策でも重要と言われているものをご紹介します。

● llms.txt の設置
llms.txtは、ざっくりいうとAI向けのウェブサイト説明書です。現時点ではまだ普及の初期段階であり、特にSPA(シングルページアプリケーション)で構築されたサイトなど、AIによるコンテンツの正確な把握が難しい場合に有効となる可能性があります。

● 構造化データの設置
従来のSEOでも重要でしたが、AIが情報を解釈しやすくなるという点で、その重要性はさらに増しています。FAQ、レビュー、製品情報など、コンテンツの種類に応じた適切な構造化マークアップは、SEOでもAIチャットボット向けの対策でも重要性はかなり高く、これからより重要になっていくと思います。基本的に、入れられる構造化データはなるべく入れる方向を推奨します。すでに実施されている方も多いと思いますが、改めて記述に誤りがないか、より詳細な情報を提供できないかを見直すことをお勧めします。

● 情報構造の整理とテキストでの簡潔な表現 
簡潔な問いに対して簡潔な答えを明確な根拠をもって示していると、AIにとってわかりやすく情報収集先として引用されやすくなると考えられます。細かいのですが、なるべく画像やJSによるリッチな表現に頼らず、hタグの構造を整理して、問いと答えをわかりやすく伝えたり、FAQを用意して情報構造を整理するのは、対AIで効果があるのではないかと思います。

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上田寛人氏

一橋大学法科大学院卒業後、2014年からリクルートにて提携集客・SEO担当、2018年からキタムラにてSEO含むデジタルマーケティングやDX全体を担当し、2023年にデジタル担当執行役員に就任。代理店ではなく事業会社側でSEOを10年以上経験してきた。現在はデジタルレトリバーにて、マーケティング全体の支援や、会社の資産を活かしたSEO対策・CRMなどのオーガニックチャネルの支援を行っている。2025年5月にコンテンツマーケティング支援サービス「メディアレトリバー」をリリース。

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