J-WAVEと六本木ヒルズを運営する森ビルが共催するフリーライブイベント「TOKYO M.A.P.S」が5月2日、3日に開催される。2008年から続く同イベントはJ-WAVEにとって放送だけではなくリアルな場でブランドや音楽性を伝える接点であり、森ビルにとっては街の文化発信を体現する取り組みのひとつでもある。無料開催を続ける理由や、街に開かれた会場で実施する意味について、J-WAVE コンテンツデザイン局 コンテンツオペレーション部長の塩田真人氏と、森ビル タウンマネジメント事業部 運営企画部 六本木ヒルズ運営G 課長の村岡真哉氏に聞いた。
「東京の地図」を音楽と表現で描く
「TOKYO M.A.P.S」は、Music、Art、Performanceで描く“東京の地図”をコンセプトに掲げるイベントだ。道順や施設を示す一般的な地図ではなく、音楽や表現の交差によって東京の輪郭を描くという考え方で開催している。
イベントは2008年にJ-WAVEと森ビルの共催で始まった。前身には、J-WAVEが六本木ヒルズアリーナで春からゴールデンウィーク(GW)にかけて行っていたフリーライブ「LIVING IN TOKYO」がある。その流れを受け、新緑の時期の六本木ヒルズに音楽がある風景を両社で育てていく形で発展したのが、現在のTOKYO M.A.P.Sだという。J-WAVEは開局以来、東京のカルチャーやライフスタイルを放送で伝えてきたが、このイベントではそれを街の中で体験できる形にしてきた。現在では、ゴールデンウィークを代表する大型音楽イベントであると同時に、J-WAVEのブランドを体感してもらう接点になっている。
【MC藤田琢己のライブレポ】
2人編成で登場の君島大空。繊細な歌声と、時に優しく後半では技巧的にアコギを操り、満員の会場もグッと集中する様に見つめていました。木々を揺らす音もピアノとアコギの音色に重なって気持ちよく聴こえました。#jwave #roppongihills #君島大空 pic.twitter.com/FoHWZRdqVS— TOKYO M.A.P.S (@TOKYOMAPS) May 6, 2023
役割はライブの場から編集性を示す場へ
J-WAVE塩田氏によると、開始当初の役割は、日頃から紹介しているアーティストや音楽をリスナーに直接届けることにあった。その後、単なるライブイベントではなく、J-WAVEがその時代の音楽シーンや東京の空気感をどう捉えているかを示す場へと比重が移っていったという。塩田氏は、現在のTOKYO M.A.P.Sについて「編集された音楽体験」と表現する。
体験の広がり方も変わってきた。会場だけで完結するのではなく、オンエアやSNSを通じて接点が広がり、会場で見た人が放送で再体験したり、SNS経由で新しいアーティストに触れたりする流れが生まれているという。今後は、会場でのライブを軸にしながら、放送やデジタルとの連動をさらに強め、来場者以外にも開かれた音楽体験へと広げていく考えだ。
昨年のイベント連動番組
無料開催だからこそ生まれる“偶然の出会い”
無料開催を続ける理由について、J-WAVEはこの形式そのものがイベントの特徴だと説明する。有料イベントの場合、目的を持って来場する音楽ファンが中心になりやすい。一方、六本木ヒルズで無料開催することで、買い物や食事、観光など別の目的で街を訪れた人が、偶然音楽に触れる機会が生まれる。特にGWは、家族連れや観光客、近隣で働く人など、多様な人が集まりやすい時期であり、新たなリスナー接点を生みやすいという。塩田氏は、無料だからこそ「偶然出会ったアーティストのファンになった」という体験が起きやすいとみている。
