企業変革の真の扉を開こう~『THE CUSTOMER CENTRIC COMPANY 顧客基点経営10の実践』によせて(植野大輔)

『宣伝会議のこの本、どんな本?』では、弊社が刊行した書籍の、内容と性格を感じていただけるよう、本のテーマを掘り下げるような解説を掲載していきます。言うなれば、本の中身の見通しと、その本の位置づけをわかりやすくするための試みです。今回はDXG代表の植野大輔さんが『THE CUSTOMER CENTRIC COMPANY 顧客基点経営10の実践』(岩井琢磨 編著)を紹介します。

予算計画、競合動向、技術(バズ)ワード、KPI、人材——2時間以上ある経営会議で、こうした経営用語が飛び交う中、一切「顧客」というキーワードが出てこない。残念ながらこれは珍しい光景ではない。あなたの企業はどうだろうか。

どれほど革新的な技術が生まれようと、どれほど斬新な経営手法が登場しようとも、市場経済が続く限り、あらゆる企業に顧客が存在する事実は永遠に変わらない。しかしながら、未来の顧客を無視した変革ごっこが、いかに多いことか。

オールステークホルダー資本主義の潮流はありつつも、利潤追求を目指す企業活動において、PL(損益計算書)もBS(貸借対照表)もキャッシュフローも、すべては「顧客」が生み出す売上計上から始まる。経営リーダー達は、ひょっとしてそのことを忘れていないだろうか。売上成長と連動した利益成長の傾斜こそが、企業価値を決めるのだ。

「お客様は神様です!」「わが社は顧客第一主義!」——そんなスローガンをいくら唱えても空虚なだけだ。必要なのは、企業活動に顧客基点経営の“構造”を取り戻すことである。

本書『THE CUSTOMER CENTRIC COMPANY』は、顧客志向の必要性や概観を語るのではなく、顧客基点経営の「10の実践」として、そのまま自社経営に実装できる構造を示してくれる。「はじめに」で語られる【「顧客基点経営」への9つの問い】に始まり、各問いに呼応する形で実践の考え方とフレームワークが示され、さらに専門家のリアルな経験知が続く。「おわりに」では再び「10の実践」が俯瞰して回収される。

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宣伝会議のこの本、どんな本?
宣伝会議 書籍編集部

宣伝会議書籍編集部では、広告・マーケティング・クリエイティブ分野に特化した専門書籍の企画・編集を担当。業界の第一線で活躍する実務家や研究者と連携し、実践的かつ最先端の知見を読者に届けています。

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