経営者・梶裕貴に聞く音声AI「そよぎフラクタル」の展望、AI時代に「声」の価値を守るビジネスモデル確立へ

声優の梶裕貴さんが4月、自身の声を起点とする音声AIキャラクタープロジェクト「そよぎフラクタル」を加速すべく、新会社「FRACTAL」を設立した。表現者としての顔を持ちながら、自ら経営者として「声」の権利保護と新たなビジネスに挑んでいる。

「そよぎフラクタル」という宇宙

梶裕貴さんが自身の声を学習させ音声合成ソフト化した音声AIキャラクター「梵(そよぎ)そよぎ」を起点とした「そよぎフラクタル」。声優デビュー20周年を迎えた2024年に始まった本プロジェクトは、歌声・トークボイスの合成ソフトから始まり、楽曲コンピレーションアルバム、漫画、会話型AIアプリ、3Dライブなど幅広くコンテンツを展開している

メインキャラクターである「梵そよぎ」の設計には、意図的に余白をもたせ、プロフィールや性格は、細かくは決めていない。「各クリエイターが自分の表現をするためのひとつの媒介として、梵そよぎを捉えてほしい。ディズニーのミッキーマウスのように大枠は決まっているけれど、登場する作品によって役割や性格が少しずつ変わっていくイメージです」と梶さんは話す。

「そよぎフラクタル」のロゴと、米山舞によるデザインの「梵そよぎ」。

「そよぎフラクタル」のロゴと、米山舞によるデザインの「梵そよぎ」。

その言葉通り、各クリエイターの解釈がそのままコンテンツになっている。キャラクターデザインはアニメーター・イラストレーターの米山舞が担当し、メインテーマとなる楽曲は『進撃の巨人』などの劇伴で知られる澤野弘之が手がけた。2025年11月にリリースされたコンピレーションアルバム『0rigin』は18曲構成で澤野弘之に加え、斉藤壮馬、下野紘、森久保祥太郎、林ゆうきといった声優や音楽家のほか、UNISON SQUARE GARDENの田淵智也、Sound Horizon/Linked HorizonのRevoら多彩なアーティストが楽曲を書き下ろした。

「インプットの情報が限られているからこそ、同じ方向を向きながらもアウトプットのされ方が全く違う。それが今回の取り組みの面白さかなと」(梶さん)。

またスピンオフ漫画の原案には『進撃の巨人』作者の諫山創、3月に都内で開催した3Dライブ「1stEXPO『0rigin』」のキービジュアルには『僕のヒーローアカデミア』作者の堀越耕平が参加している。声優としてのキャリアの中で築いてきた縁が、そのままコンテンツの厚みになっている。

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梶裕貴さんの音声をもとにつくられた公式音声合成ソフト。

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