「広告は邪魔者」なのに、なぜ広告業界を目指す? 虎ノ門広告祭の学生記者5人が語る、Z世代の広告観

動画を見るために広告をスキップする。広告を非表示にするため、動画配信サービスに追加料金を払う。若者にとって広告は、必ずしも歓迎される存在ではない。一方で、広告の持つ力に魅了され、その世界に飛び込もうとする学生たちもいる。

「虎ノ門広告祭2026」では、昨年に続き、ニュースサイト「AdverTimes.」の学生記者チームを結成した。今年参加するのは、美術大学でデザインを学ぶ学生から、経済学を専攻しながら実際に広告運用を経験してきた学生まで、異なる経歴を持つ5人。学生記者らは、虎ノ門広告祭を取材し、学生ならではの視点を交えた記事をAdverTimes.で届けていく。

虎ノ門広告祭開催を前に実施したオンライン座談会では、学生記者への応募動機や取材したいテーマに加え、同世代が広告をどう受け止めているのかについて意見を交わした。

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片桐章太郎さん

武蔵野美術大学4年

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横山璃子さん

千葉大学4年

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松村美優さん

上智大学3年

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天野励音さん

京都精華大学3年

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谷 有紗さん

慶應義塾大学2年

昨年の虎ノ門広告祭が、就職活動を再開するきっかけに

━━まずは自己紹介と、今回学生記者に応募した理由を教えてください。

片桐:武蔵野美術大学でサービスデザインを中心に学んでいます。来年4月からは大手メーカーの広告部門でプランナーとして働く予定です。

昨年の虎ノ門広告祭には一般参加者として2日間足を運びました。当時は広告会社のプランナーを中心に就職活動をしていたのですが、少し中だるみしていた時期でもありました。

そんな中、会場でさまざまなクリエイターの話を聞き、改めて広告の面白さに気づかされたんです。自分も作り手になりたいと思い、就職活動を再開するきっかけになりました。

昨年は大きな刺激を受けた一方で、得られた学びを友人に話す程度しかできませんでした。今年は学生記者として、会場の熱量やクリエイターの考え方を、記事を通して多くの人に伝えたいと思っています。

横山:千葉大学の法政経学部に所属し、経済学や経営学を中心に学んでいます。現在は2028年卒業予定で、広告業界を志望しています。

大学生活では、教育系YouTuberの河野玄斗さんの会社で約3年間、受験生向け教材の販促や広告戦略に携わってきました。デジタル広告の運用だけでなく、駅広告などの屋外広告も経験しています。また、テレビ局の番組制作アルバイトとして働いた経験もあります。

私には、広告に支えられた経験があります。浪人中に目にしたNTTドコモの「青春割」の広告です。その広告を見て、自分が多くの人に応援されていることに気づき、心の支えになりました。

広告には、それまで気づかなかったことを気づかせてくれる力があると思っています。昨年も虎ノ門広告祭を訪れましたが、今年は学生記者として、広告の持つ良い側面を発信したいと思い応募しました。

松村:上智大学経済学部の3年生です。大学では経済分析を用いて社会問題の解決策を考える活動をしています。

もともとアートに興味があり、昨年は美術館に行くような感覚で虎ノ門広告祭に参加しました。ところが、実際にセッションを聞いてみると、広告が社会問題の解決にも関われることを知り、広告を仕事にしたいと思うようになったんです。

昨年、学生記者を務めた方がアルバイト先の先輩だったこともあり、今回の応募を勧めてもらいました。昨年、自分が感じた虎ノ門広告祭の熱量を、今度は自分の手で発信したいと思っています。

天野:京都精華大学メディア表現学部に所属しています。プログラミングや映像、デザインなど、幅広い分野を学んできました。現在は大学を休学し、自主制作やコンペへの応募など、大学外での活動にも取り組んでいます。卒業予定は2029年です。

昨年は京都から虎ノ門広告祭に足を運び、5日間のスクール「toracoya」にも参加しました。広告業界の第一線で活躍する方々の考え方に触れられたことが、とても刺激的でした。

今回は、広告が完成するまでの思考や制作の過程にも踏み込みたいと思っています。自分自身もグラフィックと企画の両方に取り組んでいるので、クリエイターがどのようにアイデアを形にしているのかを知りたいです。

谷:慶應義塾大学SFCの2年生です。大学ではアートやデザインに関心を持ち、ランドスケープデザインなどを研究しています。

昨年は大学のクリエイティブサークル「sense.」の一員として、虎ノ門広告祭の企画「学生広告日本一決定戦」に参加し、ムービー部門で日本一を獲得しました。ただ、当時は1年生で、先輩についていくことに必死でした。

実は、一番力を入れていた企画が落選し、比較的短い時間で制作した別の企画が評価されたんです。それが自分にとって大きな疑問として残りました。

広告に詳しくなるほど、過去の事例と比較して「これはもう誰かがやっている」と考えがちです。でも、広告を見る一般の人は、必ずしも過去の事例を知っているわけではありません。

広告の良し悪しを、作り手はどのような視点で判断しているのか。今年は第一線のクリエイターの話を直接聞き、自分なりの答えを見つけたいです。

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